東京新聞に載ったAP通信の写真が異様だ。建物の2、3、4階の窓に人が何人も張り付いて、下から大勢が見守っている。これが高校の校舎で、試験を受けている子どもたちにカンニング・ペーパーを渡しているところだという。インドのビハール州のお話とはいえ、いったいどうなってるの?
進学・就職左右する高校1年生の試験
試験は日本なら高校1年に相当する学年が受けるもので、17日(2015年3月)から1週間をかけて、ビハール州内で140万人が受験する。試験は進学や就職など将来に大きく影響し、成績次第では大学進学の道も閉ざされてしまう。過酷だが、同様に試験はヨーロッパでも中学生程度で行う国は多い。
それだけに、親はなりふり構わず子どもを助けに走る。地元のテレビ局が撮った映像には、親が窓越しに子どもに正解の書かれたペーパーを渡していて、子どもの顔もしっかり写っている。受け取ったペーパーを書き写しているのに、教室内の先生は注意しようともしない。
学校周辺には警官も配置されていたが、親から賄賂をもらっているから見て見ぬふりだ。とにかくムチャクチャ。21日までに約600人の生徒が退学処分になったと、地元メディアは報じているという。
競争厳しいインド社会
司会の夏目三久「(校舎の)周りにもたくさん人がいますね。堂々たるものですね」
キャスターの齋藤孝「試験官いないのかね」
山本匠晃アナ「日本では考えられないですね」
夏目「これ、問題を生徒が親に渡すんですかね」
齋藤「行き来があるんでしょうね、これが成り立っているとは。処分されてはいますが、インドは競争がきびしいんですね。『きっとうまくいく』というインド映画があって、凄く面白い映画なんですが、みんなで必死に勉強するんですよ」
それにしても、ペーパーを受け取る子どもたちの表情が暗い。カメラにおびえてもいた。学校だってカンニングをやらせておいて、退学というのもひどい話じゃないか。多分、世界ニュースになったことで、はじめてことの重大さに気づくんじゃないだろうか。