父親「リビアに行ってから病気(洗脳)になってしまった」
射殺された実行犯2人はハーテム・ハシュナウイ(20)とヤシン・ラビディー(年齢不詳)で、ハーテムはまだ高校生だった。成績不良で小、中、高校でそれぞれ1回留年しているため20歳になっていた。12月の期末試験のあと無断欠席していた。
ハーテムの実家は首都チュニスから300キロの村の資産家で、広大なオリーブ畑を持ち、一帯でよく知られている名家だという。ハーテムは5人兄弟の末っ子で、経済的には恵まれた環境にあり、6月には大学入試の資格試験を受ける予定だった。
父親は「礼拝をきちんとする恥ずかしがりやの息子だったのに、リビアへ行って病気に(洗脳)されてしまった」と嘆く。リビアからの電話では「チュニスにパスポートを置いてきた。これからイラクへ向かう」と話していたという。
もう1人のヤシンについては、親族は「普通の若者で、みんなと同じように働いたり大学で勉強したりしていた。だれにどうやって勧誘されたのかまったくわからない」という。2人の接点もわかっていない。
キャスターの齋藤孝「洗脳はもの凄く強力で、入ったらもうダメ。だから、最初のきっかけを切らないといけない。接触を断たないといけないんですね。自爆テロに子どもを使っているのと同じです」
国際開発センターの畑中美樹・研究顧問は「民主化のアイロニーです。アラブの春で独裁政権が倒れて、人々はこれで世の中が変わると思ったわけですが、独裁政権を支えていた軍・警察が弱体化して、反政府派が世の中に出てきて、治安も悪くなってしまった」と話す。民主化は過激派も活動しやすくなるということだ。
司会の夏目三久「こういうことが繰り返されないよう願うばかり」とコメントしたが、現地はそんな悠長なことはいってられまい。