北アフリカのチュニジア・チュニスで起きた銃撃事件は、日本人3人が死亡、4人が入院中だ。いまや、中東だけでなく、今回のような北アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジアも危ない。日本はむしろ例外なのだ。観光などで海外に出かけたときにテロに巻き込まれない注意点はあるのか。1か月後にはゴールデンウィークが始まる。
テログループは観光客もターゲット
チュニジア政府は実行犯2人を射殺したほか9人を拘束した。うち4人が襲撃に直接かかわり、5人が犯人とつながりがあるとされるが、これですべてなのかははっきりしない。
チュニジアはいわゆる「アラブの春」で独裁政権が倒れて社会活動はオープンになったが、経済状況は悪化した。職のない若者がテロ組織に引き寄せられ、3000人が「イスラム国」に参加したといわれる。中東問題を研究する放送大学の高橋和夫教授は「かつてはちょっと怪しければ捕まえたが、今はそうはいかない。民主化のジレンマです」と話す
被害にあった人たちは地中海クルーズの途中だった。170人を超す日本人が乗っていた豪華客船「MSCスプレンディダ号」は乗客定員4363人、13階建てで、プールやカジノを備え、まるで小さな街といったスケールである。15日(2015年3月)にイタリアのジェノバを出航して、ローマ、パレルモを経て18日にチュニスに着いた。旅行に日数が必要なため、客はほとんどがシニア層だという。3月はオフシーズンだが、この日は大型クルーズ船が2隻停泊していた。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト