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増殖する「オウム残党集団」信者1万4000人、資産6億9000万円

   オウム真理教が起こしたサリンによる地下鉄同時多発テロからあす20日(2015年3月)で20年が経つ。死者13人、負傷者6300人を出した事件は大きな傷跡を残しいまだ癒えていない。

   假谷清志さん拉致・殺害で警察の強制捜査を怖れた麻原彰晃(死刑囚)が命じた卑劣なテロだが、当時、オウムはイラン・イラク戦争で使用され、特効薬のない「マスタードガス」の製造にも成功していたといわれる。それが使用されていたら被害はさらに大きくなっていただろう。

   今週発売された週刊誌にはオウム関連の記事が散見される。『週刊朝日』には、サリン事件の被害者の話やオウムからサリンやVX液攻撃されてもオウムの平田信容疑者(逃亡していたが2011年12月に出頭)の弁護をしている滝本太郎氏の話などが載っている。

   さらに、週刊朝日は最盛期は在家信者1万4千人、出家信者1400人がいた信者数はサリン事件後1000人まで減ったが、残党信者はいま増加していると報じている。<組織の再興に取り組み、99年に1500人まで回復。その後も微増の傾向を示している。2007年、オウムは現在「アレフ」を名乗る主流派と上祐史浩氏(52)が率いる「ひかりの輪」の両派に分裂。昨年の信者数は両派を合計して1650人。いずれも依然、麻原の影響下にあるとされる>

   資産額も00年に比べて17倍以上も増加して、6億9000万円にもなるという。オウム信者たちの「脱洗脳」を手がけてきた脳機能学者の苫米地英人氏は、事件実行犯の受刑者や死刑囚の洗脳は「解けているかは極めて怪しい。薬物を使った洗脳は簡単に解けるものではない」と話している。

<麻原死刑囚が収監されている東京拘置所(葛飾区)の周辺は、「麻原のエネルギーが強い」という理由から、信者の間では『聖地』とされている。ぶつぶつと何かを唱えながら巡礼する信者が近所の人の間で、たびたび見かけられている>(週刊朝日)

   麻原死刑囚の「呪縛」は事件当時幼かった彼の子どもたちにも及んでいる。週刊朝日は麻原の四女(25)、週刊現代は三女(31)のインタビューを掲載しているが、それぞれの父・麻原への気持ちは違っている。四女はこう語る。

   <「私は父の死刑は執行されなければならないと思っています。父が死刑になったからといって、亡くなられた方が帰ってくるわけではありませんが、何度死刑になっても償いきれない罪を父は犯しました。(中略)

   やめようとは思っても、今でも自殺未遂を繰り返してしまいます。実を言えば、法律できちんと裁いてもらえる父がうらやましくもあります。たとえ死刑であっても自分がすべき償いの方法が決まっているのですから。私はどう償えばいいのかもわからないのです。生きていていいのだろうかと毎日考えています」>

   事件当時アーチャリーとして知られていた三女は、実名で彼女の写真も1ページ大で掲載されている。彼女は講談社から「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」を20日に出すそうだ。その本を読むと、彼女は<今もなお父に対する強い愛情を抱いていることがうかがえる>(週刊現代)そうだ。

   昨年9月に彼女は裁判所で麻原と再会を果たしたという。<「九年以上も夢に見た『尊師!(お父さん!)』と思わず叫ぶような場面はありませんでした。それでも、『父』に会えているという喜びで感無量になり、(中略)父の姿は涙でかすんでいました」>

   また、こうも書いている。<「父について多くの批判があることは、身にしみています。それでもわたしは、父が事件に関与したのかについて、今でも自分の中で留保し続けています。父を守れる者が子どもしかいないなら、わたしだけでも父を信じよう。世界中が敵になっても、わたしだけは父の味方でいたい」>

   この発言には多くの批判が集まるでことあろう。だが、それだけオウム事件が残した後遺症は大きく、事件の解明が十分なされていないことの証だと私は思う。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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