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「クローズアップ現代」ヤラセ疑惑!クラブ従業員が「出家ブローカーを演技させられた」

   トップが迷走するとNHKの現場にもそれが反映されるのか、「週刊文春」はNHKで1、2を争う良心的な番組「クローズアップ現代」でヤラセがあったと告発している。

   これが本当なら国谷裕子キャスター真っ青だが、問題となったのは昨年(2014年)5月14日に放送された「追跡『出家詐欺』~狙われる宗教法人~」だ。出家詐欺とは<お寺で得度(出家の儀式)を受ければ戸籍上も法名への変更が可能となる制度を悪用したもので、宗教法人と結託して多重債務者を別人に仕立て上げ、ローンや融資を騙し取る詐欺の手口>(週刊文春)だそうである。

   週刊文春が指摘するヤラセとは、NHKの記者が出家を斡旋するブローカーを突き止め、オフィスビルの一室での多重債務者とのやり取りを外から隠し撮りした映像のことだ。ブローカーの顔も映っていないし音声も変えられている。

   ところが、このブローカー氏、自分は北新地のクラブの従業員で、ブローカーなどではない。NHKの記者に依頼されて演技したもので、犯罪者であるかのように流されたのは許せないと憤っているのである。週刊文春によれば、ブローカー役の人物は架空、多重債務者は記者の知人で、活動拠点という事務所はニセモノだという。これが事実なら悪質なヤラセである。

   このニセブローカー氏、NHK記者に電話で何度か抗議し、その際、記者はこういったという。<「たしかにいつもその仕事(ブローカー)をやってる人のように見えたかもしれないけど、普段新地で働いてるのに、それは申し訳なかったと思うんで、その辺はしっかりとお詫びしたいと思いますので」>

   3月18日の『asahi.com』によれば、<MHK定例放送総局長会見が18日、都内で行われ、森永公紀理事は、一部週刊誌に、昨年5月放送の宗教法人をめぐる詐欺事件を扱った「クローズアップ現代」で、やらせの疑いを報じられたことに「今の時点でやらせがあったと考えていない」とした」>そうだが、「今の時点」だから、これからしっかり内部調査をしてもらわなくては、籾井会長もろともNHKの信用は失墜する。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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