東洋ゴム「免震性能偽装」マンション住民への説明ファックスだけ「問題あれば交換」

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   東洋ゴム工業の免震ゴムの性能偽装は18都府県の55物件に及ぶことがわかった。うち25件はマンション(共同住宅)で、役所の庁舎が高知、愛媛、大阪、長野など12、病院6、倉庫4、工場2、データセンターなど2となっている。数にすると2052基にもなり、取り替えには時間がかかる。終えるまでに大規模地震が来ないよう祈るしかない。

役所など公共建物優先で対応

   ゴムと金属を貼り合わせた積層ゴムの技術が開発されて30年になるが、阪神淡路大震災以降に普及が進み、最近のマンションでは「免震」が売りにもなっている。

   問題の製品は東洋ゴムの子会社が製造したもので、ゴムの性能を担当者が改ざんし、国の基準を満たさないまま10年以上も作りつづけていた。昨年2月には不良品の疑いが発覚していたが、その後も製品の納入が続けられていた。16日に東洋ゴムの幹部が謝罪に訪れた愛媛県庁では、2年余をかけて20基が設置され、この1月に工事が終わったばかりだった。県は「何らかの対処が必要になったら全責任をとっていただく」とクギをさした。

   東洋ゴムでは公共建物を優先させて対応しているが、もっとも数が多い一般のマンションについては、「混乱が生ずる」として建物名を公表していない。このため問い合わせが殺到し、すでに2000件以上になったという。

   だが、ある人のところに届いた回答はファックスだけ。お詫びの文言のあとに、今後1か月かけて建物の安全を確認し、問題があれば免震ゴムを交換するとあっ た。マンションの購入者は「高い買い物をしたのに」「免震のPRが購入の決め手だった」と話す。とくに、静岡など太平洋沿岸は「東海地震」への備えも念頭にあった。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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