きのう15日(2015年3月)に石川県能美市で行われた全日本競歩能美大会男子20キロで、鈴木雄介選手(27)が1時間16分36秒の世界新記録で優勝した。鈴木は世界ランキング1位で、これで8月の世界選手権(北京)代表に内定したが、そのあとのリオデジャネイロ五輪も含めて「金メダルをとる」意気込みだ。
陸上・日本男子で50年ぶりの世界新記録
陸上で日本男子の世界新はマラソンの重松森雄選手以来で50年ぶりだ。鈴木は地元出身だが、もともと石川県は競歩が盛んで、76年から全日本大会が能美市で行われている。鈴木も中学から競歩を始めた。「中学で高校生とも同じレベルでできたのが大きかった」というが、小松高、順天堂大と競歩を続け、現在は富士通所属だ。
13年2月の日本選手権で1時間19分02秒の日本記録を出し、翌3月にはこれを28秒更新。昨年9月のアジア大会(韓国・仁川)では銀メダルをとっており、とにかく早い。きのうもスタート直後にもいきなり飛びだしてそのままのぶっちぎりだった。途中の10キロのタイムは世界記録を34秒も上回っていた が、20キロでは26秒短縮した。
鈴木は「もし出たらと思っていたが、いけそうなのでいっちゃったという感じです」と話した。あわてたのは主催者だった。世界新のボードを用意していなかった。
時速15・7キロ―地面から両足離れたら失格
司会の夏目三久「競歩ってメジャーじゃないので、どんな競技かこれでわかりました」
石井大裕アナ「鈴木選手の時速は15.7キロといわれています。ママチャリで一生懸命こいだくらいの速さです」
夏目「走ってるんじゃないんですよね」
石井が「歩いてるんです」とルールを説明した。
(1)両足が同時に地面から離れてはいけない。
(2)着地してから地面と垂直になるまで、膝を伸ばしておかなければいけない。
キャスターの齋藤孝「他の競技で挫折してというんではなくて、中学からやってるんですね」
石井「それで世界一早く、美しく歩く男が生まれた」
夏目「今年は世界選手権、次にはオリンピックもありますし、期待できます」