淡路島5人殺害男!精神疾患あっても一転実名報道・・・新聞のご都合主義
不幸は連鎖するのか、血なまぐさい事件が次々と起こる。兵庫県の淡路島の洲本市で、3月9日(2015年)午前7時過ぎ、5人の男女が刃物で刺し殺される事件が起きた。犯人は同じ洲本市中川原町に住んでいる無職・平野達彦(40)と判明、すぐに逮捕された。
『週刊新潮』によれば、日頃フェイスブックに書き込んでいる内容は意味不明で妄想に取り憑かれているとしか思えないものだった。事実、平野容疑者は2013年10月まで明石市内の精神科に入院していて、妄想性障害だったと県警の広報が明かしている。
容疑者に精神疾患があった場合、これまでだと新聞はその時点で匿名にしてしまうのだが、今回は実名報道に踏み切っている。ある全国紙の神戸総局の記者がこう語っている。<「警察から妄想性障害との情報が出てきて、総局内では匿名か実名かの大議論になった。しかし、結局、事件の重大性を鑑みて実名で行くことになりました」>
先週号で上村遼太君殺しの容疑者、18歳のAを実名報道した週刊新潮に対して批判していたのに、今回はなぜ実名なのかと週刊新潮は新聞に噛みつく。「事件の重大性を鑑みる」ならば、Aの場合と同じではないかという論理だ。
さらに、元最高検検事で筑波大学名誉教授の土本武司氏もこう疑義を呈する。<「そもそも、精神疾患のある容疑者を実名報道してはならないと定めた法律はありません。にも拘わらず、過去にそうした容疑者を匿名で報じておきながら、今回は重大事件だから実名報道するというのは、ご都合主義もいいところです」>
結局、お上に睨まれたくないから自主規制する。それだけの理由でしかないのだろう。