群馬大病院18人死亡させた須納瀬豊医師!患者から呼ばれていた「大丈夫先生」
群馬大学医学部附属病院が大きく揺れている。第二外科に所属する医師の手術によって、3年半の間に少なくとも8人の患者が術後に相次い亡くなっているのだ。週刊文春で地元記者がこう語る。
<「群馬大学病院は昨年七月より調査委員会を設置。今月三日に調査結果を最終報告書として公表し、すべてのケースで医師の過失があったとしています」>
背筋が寒くなる話である。腹腔鏡手術とは、先端にカメラやメス、つまんだり引っぱったりすることのできる鉗子がつけられた棒状の器具を、患部周辺に開けた数か所の小さな穴から挿入して行う方法だそうだ。<お腹を大きく切開する従来の方法に比べ、傷が小さいことから術後の痛みも少なく、回復も早いため、患者の負担が小さい。盲腸や胆のうの摘出、また近年では胃がんや大腸がんの分野でも広く認知されている術式となってきた。だが、肝臓を治療する場合においてはまだ一般的ではない>(週刊文春)
それは非常に高度な技術を要するからだと肝胆膵を専門とする外科医がいっている。<一連の過失がある手術を行ったのは、四十代後半の第二外科の助教、須納瀬豊医師だった>(週刊文春)
彼は高い技術を要するはずの腹腔鏡を使った肝切除術について、このように患者に説明したという。「すごく簡単な手術だから大丈夫」
この医師、患者たちから「大丈夫先生」と呼ばれていたそうだ。だが、そんな簡単なものではなかった。被害対策団の事務局長を務める梶浦明裕弁護士は指摘する。<「当該医師が行った手術の映像を、他の専門医が見た結果、手術中、体内に挿入した腹腔鏡で行う剥離操作や止血操作の技量が稚拙である、との指摘を得ています。映像は、まるで血の海の中で手術をしているような状態でもありました」>
不十分なインフォームド・コンセント、未熟な技術に加えて、群馬大学病院が公表した調査報告書では、カルテへの記載が乏しく、手術の適応の判断や術後の患者の変化にどう対処したかなど、思考過程が分からないという問題点も指摘された。そのうえ、調査の過程で、須納瀬医師が行った開腹による肝臓手術でも10人もの患者が術後に亡くなっていることが判明したという。
驚くべき医師だが、彼は千葉県内の有名県立高校から群馬大医学部に進学して、93年に医師免許を取得している。それから20年ほど、肝臓・胆道・膵臓分野で医療に携わっている。数々の賞も取っていて、「外科の技術はともかく、研究者としては熱心と言えます」(知人)
個人的な功名心から無謀な手術を行ったのか、病院の評価を高めるため、手術数を稼いだものの、トラブル発覚で病院側から「トカゲの尻尾切り」にあったのか、最終報告書では言及されていないため、今のところ不明だそうだが、徹底的な解明をしないと「殺人病院」などという不名誉なレッテルが貼られかねない。