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新聞・テレビが報じない「東日本被災地の犯罪急増」レイプ、詐欺、窃盗、カルト教・・・

   東日本大震災からきのう11日(2015年3月)で4年が経った。メディアはさまざまな形でこの4年間を振り返る特番や特集をやっていたが、今週号で『アサヒ芸能』が取り上げているような「視点」から見ているところはどこにもなかった。アサ芸は「被災地の性ビジネス&新犯罪現場」を直撃ルポしている。

   被災地ではいまだに避難所暮らしを強いられている人たちが多くいる。なかには「性」のはけ口を求める人もいるだろうが、そういうことに触れるのは大メディアでは「タブー」になっている。だが、震災の復興作業などで作業員や自衛隊員が大挙押しかけ、11年の6月から8月にかけて「震災バブル」が起こった。風俗は人手不足で、鹿児島など遠方から面接に来た女性もいたそうだ。1日10万円稼いだ女性もいたという。しかし、そうした客に不快な経験をしたデリヘル嬢もいた。

<「とりわけ記憶に残っているのが、福島市内で住宅や下水道の除染作業員として働く男性客が口にした言葉だ。
   11年秋頃、40分コースの洗体プレイを希望したその作業員はA子さんの服を脱がすなり、
『俺の体は放射能で汚染されている。全身をナメ回してキレイにしてほしい』
と、薄ら笑いを浮かべながら求めてきたという。
   関西出身の土木作業員は、高級ブランドの長財布から札束を取り出し、
『金ならいくらでもある。ええやんけ。何でアカンねん。一発ヤラせろ』
と、強引に襲いかかってきたことも・・・」>

   風俗産業は被災地の性を支えたが、それでも震災の混乱に乗じた猥褻事件が多数発生していたという。<11年4月8日、岩手県盛岡市では、生命保険会社の男が震度5強の余震による停電の影響でオートロックが解錠されているマンションに侵入、19歳の女性をレイプしている。「あるいは、津波により壊れた自宅に戻った女性を襲ったり、避難所生活の女性をガレキの裏に連れ込んでレイプする事件や下着泥棒も......」(社会部記者)>

   テレビや新聞では、略奪や暴動が起きない状況をたたえる報道が目立ったが、実態はそうではない。警察庁の発表によると、震災発生から4カ月間で岩手、宮城、福島の3県で発生したATM窃盗事件は56件(未遂7件)にも。こうした「火事場泥棒」の被害総額は7億円以上とされている。犯罪ジャーナリストの丸山佑介氏は、犯罪形態の『変化』を指摘する。

<「震災発生直後は被災沿岸部に窃盗のプロ集団が現れ、電線や銅線などの盗みが多発。そのあとは巨額の復興予算を私的流用するNPO法人や、被災者と偽り、手当てを不正受給する行為などが目立つようになりました」>
   震災から4年が経ったが、今度は新たな犯罪へと移行しているという。<「電力、ガス会社の社員をかたり『地震後の点検作業』だと言い、高額な料金を請求する点検商法やリフォーム詐欺が発生しています」>

   カルト宗教団体が被災地を跋扈している現実も見逃せないそうだ。こうした「負」の現実はテレビや新聞で伺うことはできない。惜しむらくは、もう少し丁寧な取材と証言があればと思うが、大事な視点であることは間違いない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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