保存まで20年間議論した広島原爆ドーム
キャスターの齋藤孝「ひとつのモデルは『原爆ドーム』ですね。原爆資料館と学習コースにもなっている。防災教育はこれから日本中で必要なので、津波を実感できるのはいいんじゃないでしょうか」
司会の夏目三久「震災後にうかがった時、信じられない景色が広がっていて、自然の脅威を感じました。同時に、教訓に残せるものならと思いましたね」
齋藤「大川小学校(石巻市)は思い出したくない悲劇だと思うが、教訓でもあるわけです。次の世代に感じてほしい」
南三陸町の鉄骨だけになった防災庁舎は、原爆ドームにも劣らない発信力がある。宮城県は保存に国の財政支援をとりつけたが、2031年まで、つまり20年間は県有にしようとなった。
井上「原爆ドームも保存が決るのに20年かかりました。それにならって、20年経ったらあらためて話し合おうということになっています」
歳月で見方は変わる。大川小ではいま若い卒業生も議論に加わって、流れは保存へ向かっているという。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト