「スパゲティ・ナポリタン」「シャンパン」「コニャック」など、まあナポリタンは和製でナポリに行ってもそういうメニューはないが、食べ物、飲み物に名産地の地名の付いたものは多い。これがこれまでのように使えなくなるかもれないという。欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)交渉で、産地でないものに勝手に使わないように求めているからだ。候補は200もある。
コニャック、スッコッチ、ボルドーワインもダメ?
問題になっているブランド名にはどんなものがあるか。たしかによく知っている名前が並ぶ。なかには、日本では普通名詞として使っているものもある。
【チーズ】
パルメザンと呼ばれたりするパルミジャーノ・レッジャーノ、ゴルゴンゾーラ(イタリア)、カマンベール・ドゥ・ノルマンディー、ロックフォール(フランス)、フェタ(ギリシャ)
【ハム】
パルマハム(伊)
【ワイン】
ボルドー、シャンパン(仏)
【蒸留酒】
コニャック(仏)、スコッチ・ウイスキー(英)
【ビール】
バイエリシェス・ビア、ミュンヒナー・ビア(ドイツ)
要するに、産地以外がそれらの名前を付けるなということだろうが、どうなるかというと、たとえばゴルゴンゾーラは「青カビチーズ」、カマンベールは「クリームチーズ」、パルメザンは「粉チーズ風」などとなる。
どうなる?「スパゲティ・ナポリタン」
キャスターの齋藤孝「ゴルゴンゾーラって地名なんですね。定着して慣れちゃってるけど。青カビチーズ?」
山本匠晃アナ「どうなんだろう」
齋藤「シャンパンはすでにスパークリング・ワインと言ってたりしますよね」
山本「お酒は産地からの輸入があるので、問題がないということです」
司会の夏目三久「今後はなになに風という表現が増えそうですが、許されるんでしょうかね」
齋藤「ならいいか」
山本「ニュアンス変わってきますね」
しかし、地名が製品の代名詞になるなんて、これ以上の宣伝はないだろうに。だいいち、街のレストランのメニューから「ナポリタン」を消せるか?
水で有名なエビアンの隣にトノンという町がある。レストランで「水」というつもりで「エビアン」といったら、「トノンじゃだめか」と凄まれたことがある。トノンの裏山はエビアンと同じ山で、エビアンと同じ水を「トノン」の名で売っていたのだったが、フランス人でも知らない。エビアンだって、水がなければただの田舎町だ。