『週刊新潮』がスクープした自民党・中川郁子(ゆうこ)農林水産政務官が門博文衆院議員と「路チュー」していた問題で、中川氏は「酒席の後であったとはいえ軽率な行動」だったと陳謝し、門氏も「お酒で気が緩み、軽率で誤解を招く行動だったと深く反省している」とコメントした。中川氏はよっぽど恥ずかしかったのだろう、その後、体調を崩したとして東京都内の病院に緊急入院したそうだ。
安倍内閣の崩壊が始まったようだ。西川公也農水相が利害関係のある業界、とりわけ砂糖業界からの献金が問題視されてクビを斬られた。下村博文文科大臣も「塾業界から違法献金」を受けていると『週刊文春』がスクープして、国会で追及されている。その後、任意団体と称している各地の博友会に、週刊文春からの取材には答えるなという「口止めメール」を西川氏の秘書官が送っていたことがバレた。
週刊文春は今週も「下村文科相はウソをついている」と追及の手を緩めない。全国にある博友会から年会費や講演料を受け取っているにもかかわらず寄付金として処理し、予算委員会で質されると否定し、週刊文春の報道を「虚偽だ」といい切った下村氏は、週刊文春のいうとおり「文科省」という役所の長にはふさわしくないようだ。週刊文春で博友会の現役幹部がこう話している。
<「宿泊代とタクシー代、そして講演料の三十万円は下村先生を呼ぶ際の条件です。これは博友会の暗黙のルールで決まっているのです。公の場でそこまで嘘をつくのはどうかなと首を傾げざるを得ませんでした」>
ここまで週刊文春が明らかにしているのだから、野党の諸君は下村氏のクビを取らなければ、何のための野党かといわれること間違いない。
新聞・テレビ「安倍内閣スキャンダル」見て見ぬふり!気を吐く週刊誌
次々にデージンたちのカネの問題が噴出してきて、第一次安倍内閣の末期に似てきてるようだ。だが、テレビはもちろんだが、大新聞の安倍首相追及が及び腰に見えるのは私だけではないようだ。『週刊ポスト』は「疑惑の専門商社」と呼ばれる西川公也農水相への国会追及を、新聞が権力の手先となって潰そうとした「疑惑」が明らかになったと報じている。
さらに、衆院予算委員会でこの問題を追及した民主党の玉木雄一郎代議士に対して、安倍首相は「日教組! 日教組をどうするんだ!」と大声で品のないヤジを飛ばした。週刊ポストによれば、<西川疑惑と日教組問題の類似性はネットで指摘され、いわゆるネトウヨの間で広がっていたが、実際は日教組は国の補助金は受けておらず、そもそも民主党への献金もなかった。後日、首相は国会でしぶしぶ訂正したが、謝罪の言葉はなかった(『遺憾』とはいったが)>
その次に安倍首相が企んだのは「西川隠し」だったという。<西川大臣を辞任させたのは、政治資金疑惑の責任を取らせたわけではなく、国会答弁で矢面に立たなくていいようにするためだった。その証拠に、西川氏をそれまで林氏(芳正農相=筆者注)が就いていた農水族の頂点に立つ自民党農林水産戦略調査会長にスライドさせ、「農水利権」を再びガッチリ握らせた>(週刊ポスト)
こうしたことを大新聞は批判せず、週刊誌が報じているスキャンダルを載せるだけで事足れりとしているのでは役割放棄といわれても致し方ない。
フジテレビなどは昨年、安倍首相の甥(安倍氏の実弟、岸信夫・代議士の息子)を入社させるなど、安倍氏の血脈をしっかり取り込んでいると週刊ポストは報じている。<いまや読売、朝日など大メディアはこぞって「産経に後れをとるな」とばかりに安倍首相に擦り寄り、権力監視機能は形骸化、それをいいことに検察も政権に甘くなる。
国会でも野党は大きく議席を減らし、権力をチェックするのは週刊誌と一部のネットメディアくらいになった>と週刊ポストは嘆いているが、困ったものだ。