マーク・リッパート駐韓米国大使がきのう5日(2015年3月)朝、講演会場で朝食中に男に切りつけられ、顔を80針縫う大けがを負った。男は果物ナイフで襲いかかった。大使はほほから顎にかけて長さ12センチ、深さ3センチ切られ、左手首や腕など5か所にも傷を負った。頸動脈まであと1、2センチで、傷は一部筋肉にも達していて、しびれも残り回復までに数か月かかるという。
焼身自殺、竹島戸籍移転、日本大使投石・・・これまでもスタンドプレー
取り押さえた男性によると、犯人のキム・ギジョン容疑者(54)は「脅す仕種はなく、最初から首を正確に狙って切りつけた。戦争訓練を避けなければいけないとも叫んでいた」。これは米韓合同軍事演習を指すと見られる。
シャーマン国務次官は先週、「政治の指導者が昔の敵を悪くいうことで喝采を浴びることは難しくないが、そのような挑発は事態の進展を生みださない」と発言した。韓国内ではこれを日本の肩を持った発言と受け取るむきがあり、反発が広がっていた。
キムは反米反日の活動家で、北朝鮮との融和を進める団体に属する。09年の映像では、「1980年代から労働者同志とともに闘争を絶えず実践する活動家だった」とぶちあげている。韓国大統領府の前で抗議の焼身自殺を図ったり、島根県の「竹島の日条例」に反発して竹島に住所を移したこともある。10年には日本大使にブロック片を投げつけ、執行猶予付きの有罪判決を受けた。
手薄だった会場警備!手荷物検査も行わず
赤江珠緒キャスター「前科があるということですね」
そういう男がどうして米国大使に近づけたのか。講演会には約400人が招待され、キムも招かれていた。集まりを主催した170団体の中にキムの団体も入っていたからだ。アメリカ大使館からの警備要請はとくになく、ポール付近に警察官3人、建物周辺に機動隊員25人がいただけだった。手荷物検査も行われなかった。
吉永みち子(エッセイスト)「400人の会場に警官が3人とはあり得ないですよいね。韓国はこのごろどうなっているんだろう」
米国政府は事件後、「暴力を強く非難する」という声明を発表した。韓国の朴槿恵大統領は「米韓同盟への攻撃として容認できない」と語った。
司会の羽鳥慎一「外交問題には発展しそうもないけれど、(韓国は)やっぱり少し甘いな」