なぜ見え方が違うのか?目のセンサーに個人差
なぜこれが違う色に見えたのか。視覚特性に詳しい横浜国立大の岡嶋克典准教授は「頭の中の見え方には目の個人差が入ってくるので、白い照明で照らしていると頭が考えると青と思うんです。しかし、青い光だと考えると、青は比較的に暗い色なので、白と金になる」と解説する。目の視細胞のセンサーの強さは人によって違い、青の感度の強い人は同じものを見ても青を強く感じるという。「この絵(写真)が面白いのは、ひっくり返りが起こりそうな微妙なバランスになっていることです。一般的にはこんなことは起らない。視覚研究者もこんなにうまくできた絵はなかなか作れなかったので、話題になっているのです」
夏目「研究者のあいだでもよくわからないそうですが、実物だとみなさん一致するのが、写真で見ると違ってくるということです」
齋藤「見ているのは1枚の写真ですからね。でも、ディレクターの中には、きのうまでは白と金で、きょうは青と黒という人もいましたね」
夏目が「日によって異なるなんて不思議なことがあっていいでしょうか」と大きな「顔のパネル」を使って、背景の違いでどう変わるかをいろいろやってみせた。グリーンの背景ではオレンジの目がグリーンになったり、また赤の背景ではブルーの目がグレーになったりする。これは単純な錯覚と補色のようだったが、ドレスの方はやっぱり不思議。もし本当に色が変わって見えたりしたら大変だ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト