「免疫力を高める」「寝付きがよくなる」などと言って乳児にほどこした施術で、生後4か月の男児を死亡させたとして、大阪府警はきのう4日(2015年3月)、新潟・上越市のNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」の姫川尚美理事長(57)を業務上過失致死容疑で逮捕した。
医師、マッサージ師などの資格なし・・・「医学的知識ない」と開き直り
姫川は自ら考案したという、乳児を抱いて揺さぶったり、首をねじ曲げるなどの施術を「ズンズン運動」などと称して各地でほどこしている。府警によると、昨年6月に大阪市淀川区で行った施術で4歳児の呼吸が止まり、救急搬送されたが6日後に死亡した。
13年2月にも、新潟で1歳の男児が死亡しており、業務上過失致死容疑で書類送検されたが、新潟地検は不起訴処分にしていた。逮捕となった事件のあとの昨年9月に法人は活動を停止している。逮捕容疑について、姫川は施術と死亡の関連を否定しているという。
施術の様子を写した動画や写真を見ると、首がまだすわっていない乳児を揺さぶって頭が後ろに折れ曲がっていたり、首を90度以上もねじったり、からだをエビぞり状態にしていた。
姫川はホームページで「ズンズンという揺らぎの振動とこの抱っこで、宇宙に包まれた私たちのからだの成長を感じて生きていける」などといっていた。独自の体験から編み出したと説明し、医師、マッサージ師などの資格はない。事故後も、テレビのインタビューに「医学的な知識も子どもの病状を把握する能力があるわけではない」「皆さん気持ちがいいというので続けてきた」と開き直っていた。「気持ちがいい」って乳児がいうか!?
生後数か月の男児に施術を受けさせた母親は、「首とか股関節をグリグリねじるんです。息子がどんなに大声で泣いても止めなかった」と話す。不審に思った母親は以後通わなかったという。よかった。
1時間1万~1万5000円。6000人に施術
法人は03年の設立で、上越市のほか大阪、京都にも事務所を構え、「免疫力」「アトピー性皮膚炎」「ダウン症」「障害」に効果があるといって「ズンズン運動」を受けさせていた。年間700人から1200人が施術を受け、1時間で1万円から1万5000円を受け取っていた。施術を受けた子どもはのべ6000人以上になるという。
死亡した男児の両親はきのう、「授かった子どもは希望そのものでした。姫川代表やサロンを信用してしまった自分たちを責めない日はありません。この苦しみを他の人たちに味わせたくありません」とコメントを出した。
井上貴博アナ「姫川容疑者はとくに、アトピー、ダウン症などに効果があるといい、親はわらにもすがる思いだったようです」
キャスターの齋藤孝は「赤ちゃんはか弱いし影響が大きいので、資格のない人が触れること自体おかしいですよ。昔から実証済みの方法だけ、あるいは小児科の科学的な根拠のある医者の指導にするべき」と当たり前のことをいう。医学でもどうにもならないものがあるから、こういう輩が出てくるんだろうに。