神奈川県・川崎市の多摩川河川敷で上村遼太君(13)を殺害した不良グループのリーダー格の少年(18)は、「チクられたので頭にきた」と供述しているという。けさ3日(2015年3月)は少年犯罪に詳しい新潟青陵大学大学院の碓井真史教授に少年の背景などについて聞いた。
加害少年たち「プライドはあるが自信がないタイプ」
少年は今年1月(2015年)、遼太君の目をアザが出るほど殴ったため、遼太君の中学生の友人らに2回にわたって謝罪を要求された。そのことを遼太君に告げ口されたと思って逆恨みしたと見られている。
司会の羽鳥慎一「中学生ら年下に2回も謝れといわれて、少年の心理に影響したのでしょうか」
碓井教授「謝罪するのは自信がある人でないとできない。彼は弱い者を付け回してプライドを保っていたが、それが粉々になって怒りになったのでしょう」
羽鳥「どういうタイプと思われますか」
碓井「問題のある少年のよくあるパターンですね。プライドはあるが、自信がないタイプですね」
コメンテーターの舘野晴彦(『ゲーテ』編集長)「気が小さくて臆病で、弱い者には逆切れする。分別もなく未熟なので過剰に反応してしまう。一つの典型ではありますよね」
「少年法改正では解決しない。社会的な絆がブレーキ」
高木美保(タレント)「遼太君のアザができたとき、中学生はそれなりに動いたが、大人は誰も動かなかった。そこに分かれ道があったと思います」
舘野「大人にも覚悟が必要なんです。女性の先生だって不良グループの中に入っていくのは相当に怖いはず。大人もちゃんと結束してやらないと。理想だけでは難しいですよ」
羽鳥が碓井教授に聞く。「具体的な方法があったのでしょうか」
碓井教授「まず大人に話すのはチクリではない、勇気ある正義のことだと子どもたちに事前に伝えておく。受けた大人は学校や警察と連携して本気を示すことです。それと、ふらふらしている無職の青少年たちの居場所をつくってやることが大事です」
羽鳥「いま、少年法をどうするのかという声も出始めていますが」
碓井教授「たとえば、少年が10年刑務所にいたとしても、なにか効果がありますか。社会的な絆が犯罪のブレーキになるんですよね」
なるほど。だが、なかなか簡単ではなさそうだ。
一ツ石