神奈川・川崎市の多摩川河川敷で殺害された上村遼太君(13)の通夜が、2日(2015年3月)夜、市内の葬儀場で親族や同級生、同級生の保護者ら500人が参列して営まれた。
上村君の母親はこれに合わせてコメントを発表した。「遼太は、本当に明るくて優しい子で、友逹が多く、まわりの大人たちにもとても大事にされてきました」「私自身、仕事や家事に疲れたとき、何度も何度も遼太の姿に励まされることがありました」
「事件の日の夜、一度は外に出かけようとするのを止めることができたのだから、あのとき、もっともっと強く止めていれば、こんなことにはならなかったと、ずっと考えています。顔や体の酷い傷を見て、どれほど怖かっただろうか、どれほど痛かったかと思うと涙が止まりません。小さな遼太に、このような惨く、残忍なことを行える人間が存在することが信じられません」
主犯の18歳「酒飲むと酔った勢いでケンカ」
主犯格の少年A(18)は日ごろどんな様子だったのか。「裸で泳がせたあと殴った。少年Cが持っていたカッターナイフで首や顔を切った」と供述し、「カミソン(上村君)には取り返しのつかないことをした」と反省の言葉をもらしたという。
ただ、二面性を持った性格だったようだ。小中学校時代の同級生は「おとなしく目立つ存在ではなかった」が、こんな一面もあったと話す。「キレたら止まらなくなって、友だちがカッターナイフを持って追いかけられたことがあった」
友人によると、最近は「酒を飲むと態度が本当に変わり、焼肉屋で店員さんに『お前は誰だ』とか酔った勢いで言ってケンカになりそうになった」「日頃から『人を殺したい』『ああ、人間を殺したい』って言っていた」と話す。
「遊ぼうよ」暴行受けてるのになぜLINE
一緒に逮捕された17歳の2人の少年は「刺したのはA」と関与を否定していたが、加担していたと供述を始めた。Aも「他の2人も一緒に刺した」と話しているという。
それにしても、グループを抜けたがっていた上村君がなぜ事件当夜、ネットのLINEで「遊ぼうよ」と連絡したのか。司会の小倉智昭は「暴行を受けていて怖いはずなのに、嫌いではなかったんですかね。上村君の方から『遊ぼうよ』って声を掛けている。少年同士の付き合いのなかであるんでしょうかね」と首をひねる。
中江有里(俳優)「私にも覚えがありますが、中学生のころは一人にされるぐらい怖いことはないんです。どういう関係性であれ、その中で自分が下の地位にいて使われることが分かっていても、仲間でいたいという気持ちがあったのではないでしょうか」
隠岐諸島西ノ島で育った上村君は、大都会の悪ガキどもの怖さに気付かなかったのかもしれない。