ひな祭りのきょう3日(2015年3月)、東京のアメリカ大使公邸にキャロライン・ケネディ大使のひな人形が飾られた。人形は53年前に日本の女性からケネディ家に贈られたもので、大使が贈り主探しを呼びかけたところ、北海道北見市に住む92歳の女性が名乗り出た。
「同世代の大統領が頭に響いて贈ったんです」
ひな人形は5段飾りの15体そろった立派なもので、大使の父、故ケネディ大統領あてには世界中からさまざまな人形が贈られてきたが、大使は「美しいひな人形は特別だったのでずっと覚えていました。日本に着任してひな祭りを見て、『人形の里帰り』を思いついたんです」と話している。
贈られたのは「4歳のときだったから、53年前ね」という。贈り主の住所と名前はわかっていた。先月、札幌雪祭りで初めて北海道を訪れた際、一言お礼をいいたいと贈り主探しを呼びかけた。「マツモトさんを探しています」
北海道庁国際課が北見市に照会したところ、贈り主は北見市の老人ホームで暮らす松本艶子さん(92)とわかった。その松本さんが「あさチャン!」に話す。
松本さんは当時、自分と同世代で大統領になったケネディ氏が、「一番頭に響いたんです。この人を超える人はいないんじゃないかと思い、娘さんがいらっしゃると聞いていたので」人形を贈った。すると、ホワイトハウスの名前で礼状が届いた。日付は1962年2月8日。署名は大統領私設秘書のエヴリン・リンカーンさんだった。
文面は「大統領は大変感謝しており、あなたのご多幸をお祈りします」と型通りのものだったが、松本さんは「びっくりして、ひっくりかえりそうになった」と笑う。同封されていたケネディ大統領の顔が入ったコインも大切に保管していた。
「何十年も前に遠い米国まで人形をおくってくれたことに感謝します」
大使は先月26日、札幌の米領事館を通じて礼状とビデオメッセージを松本さんに届けた。ビデオで大使は「何十年も前に遠い米国まで人形をおくってくれたことに感謝します」と話した。また、礼状は手書きで「ひな人形を日米友好の象徴として大使公邸に飾ることができ、心からうれしく思います。松本さんのご厚意は私の人生を変えました」とあった。大使と人形の写真もあった。
松本さんは届けてくれた領事館員に「こんなにしていただいて、何もいうことはございません」。手紙と写真は部屋に飾られたが、「皆さんがしてくれました。だからしかたないです」と笑った。大使に対しては「きょうにでも会いたい。言葉は出ないとおもいますけど」という。
司会の夏目三久「53年経って、キャロラインさんが大使になったというのは奇跡のようなことですよね。これだけの年月大切されていたのも・・・」
たしかに、日本で50年経ったら大方壊れてる。