多摩川河川敷で殺された中学1年生、上村遼太さん(13)の通夜が昨夜2日(2015年3月)、神奈川・川崎市内の葬儀所で営まれ、クラスメートら約500人が参列した。母親はコメントを出し、「あのとき止めていれば」「どれほど怖かったか、痛かったか」と心情を吐露した。
母親は早朝から夜遅くまで働いていて、上村さんが下の兄弟の面倒をみていたことなどが語られていた。コメントには「今思えば、遼太は私や家族に心配や迷惑をかけまいと、必死に平成を装っていたのだと思います」とある。
素直で明るくバスケットボールが好きな少年がなぜ年上の不良少年の仲間に入っていったのか。不幸なとだけではすまないものがこの事件にはありすぎる。
プライバシー侵害、名誉棄損で訴訟も・・・
一方、この事件ではネット上にさまざまな情報が流れたことを毎日新聞の電子版が伝え、井上貴博アナが紹介した。投稿の内容はひどいもので、「この人が容疑者だろうと、10人もの名前や住所や写真まで出て、なかには『その親は子の人だ』と言うのまでありました」(井上アナ)
それらがコピーやツイートで拡散した。うち3人は逮捕されたが、7人は無関係だ。といって、ネット情報の拡散を止める手段はない。電子版記事では専門家がプライバシー侵害、名誉毀損で「訴訟リスクを伴う」と指摘し、弁護士も犯罪を憎むという感情は正しいと思うが、それをネットで『さらす』行為を正当化できない」と当たり前のこといわせている。
この事件では、警察取材がおぼつかなかった、というより警察との関係がいわば切れている。新聞・テレビの情報が頼りないからネット情報が暴走するのだが、こうした作用に世間はほとんど無関心だ。
キャスターの齋藤孝「10人のうち7人は迷惑をこうむった。ネットは困ったものです」
彼はたしかに一般視聴者の代表だった。