神奈川県川崎市の中学1年生、上村遼太君(13)が殺害されてから1週間がたつが、捜査が進んでいるのか少しもわからない。新聞チェックコーナーで井上貴博アナが各新聞の続報の見出しを読んだ。
「鉄柵に血をこすりつけた跡」(読売新聞)。上村君を刺した時の返り血をなすりつけたものと見られるという。鉄柵は殺害現場のすぐそばで、こんなことはその日のうちにわかっていたことだろう。
「靴底が一致」(スポニチ)。公園で焼かれていたクツの底が上村君が履いていたものと一致したという。これだって、その日のうちに母親に見せているだろう。
「1ヶ月前暴行の人物 事情知る?」(産経新聞)。1か月前、上村君は年上のグループから暴行を受けて顔を腫らしていた。それが関係するだろうとは子どもにだってわかる。遺体発見か丸6日経って書くことか。
「LINE相手聴取へ」(朝日新聞)というのもあった。上村君を直前に呼び出した際、無料通話アプリ「LINE」でやりとりしたらしい通話記録があった。上村君の携帯はみつかっていないが、話し相手はわかるという。
むろん、警察が情報を一切出さないからこんなことになるのだが、それでも、警察が聞き込みに歩いたあとをたどれば捜査の方向や進展具合だってわかるはずだ。
なぜか伝えられない被害者の家庭生活
もうひとつ気になるのは、これだけひどい殺され方をした(刺殺され全裸で放置。衣類は焼かれた)というのに、親がまったく出てこないことだ。いかに離婚したとはいえ、祖母が出てきたのに父が見えない。なにより一緒に生活していた母親が何をしていたのかすらわからない。あえて書かないのならば、それは何なのか。読んでもさっぱりわからない情報の出し方をしてはいけない。井上は気にならないのか、「いたたまれない事件です」というだけだ。
キャスターの齋藤孝は「これほど惨い事件は考えられない」と、これは連日いっている。「子どもが暴行を受けても警察に行けてない。大人なら警察に行けますよ。暴行で食い止めることはできたのではないでしょうか。川崎市教委はあげてこの問題に取り組んでほしい」
さらに「子どもには家庭と学校しかない。家庭に事情があれば学校に頼るしかない。命の綱なんです。学校は家庭訪問とか対策はしていた。それがなぜこうなってしまったのか」という。
まさか殺人事件になるとはだれも思わなかったということか。なんであれ、一刻も早く犯人をふん捕まえることだ。