夏目漱石「坊ちゃん」原稿料148円だった!いまなら50万円・・・安い?高い?

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   井上貴博アナが読売新聞のこんな記事を紹介した。江戸・元禄時代から昭和までの作家の自伝や日記、書簡など1000件の文献を17年間かけて調べ、それぞれの原稿料などをまとめた「作家の原稿料」(八木書店)が出版されたという。職業作家の誕生過程や出版界の拡大経緯が初めて明らかになった。

日本で初めて印税契約で出版された「坊ちゃん」

   井原西鶴は「写本料」300匁(現在で約50万円)を前借りしていた。元禄期から明治前半までは、作品は1編ごとの「買い取り」制だった。たとえば、幸田露伴の「風流仏」(1889年)は20円、森鴎外「文づかひ」(1891年)は30円で、当時の東京の公立小学校教員の初任給は5円で4~6倍だ。現在、東京都の小学校の先生の初任給は20万円程度だから、80~120万円ということになる。

   井上「比較すると、かなり高いものだったんですね」

   原稿料と本の印税を支払うしくみが確立されたのは明治時代の後半で、キャスターの齋藤孝は「夏目漱石は印税制度に相当貢献していて、新聞社と契約したり、その後に出版社と契約して印税を決めたりしていたんです」と口をはさむ。

   その漱石の「坊ちゃん」(1906年)は「ホトトギス」に発表されたのだが、原稿料は148円で現在の貨幣価値では約50万円になる。その後、単行本の出版元と印税契約を結んでいた。

   司会の夏目三久「(相場としては)どうなんでしょうねえ」

   齋藤「『坊ちゃん』の文化的価値からいうと、安いような気もしますねえ」

   井上「後世に語り継がれていく過程でどんどん価値があがったわけですね」

   西鶴も50万円、漱石も50万円というのが面白い。露伴、鴎外はやや高いか?酒の肴にもなりそうで、ちょっと読んでみたくなる本だ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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