東北地方で17日(2015年2月)の午前に起きた地震は、大津波を発生させる恐れのある「アウターライズ地震」と呼ばれる特殊な地震だった可能性が出てきた。震源は岩手県三陸沖で、最大震度4、規模を示すマグネチュードは6.9を観測した。気象庁は3分後、岩手県に津波注意報を発表したが、津波は久慈港で20センチ、宮古市で10センチが観測されたが大事には至らなかった。
その5時間後にはやはり岩手県沖を震源とする最大震度5強、マグネチュード5.7の地震が起きたが、津波は観測されなかった。なぜ1回目の地震のときだけ津波が起きたのか。
東日本大震災の余震まだ数年続く
東京大の笠原順三名誉教授は、午前の地震は「アウターライズ地震」だったのではないかという。日本列島沿いの日本海溝の外側で、地盤が上下方向にズレために起きる地震だ。陸地に揺れは小さいが、海面が大きく盛り上がるため巨大地震が発生しやすい。巨大地震の余震として発生することが多く、17日の地震も東日本大震災の余震とみられるという。
過去の代表例としては、1933年の昭和三陸地震がある。揺れによる被害は少なかったが、25メートルを超える大津波で3000人以上の死者、行方不明者が出た。この地震はその38年前の明治三陸地震の余震とみられている。
笠原名誉教授は「マグネチュード9クラスですと、5~10年の長さで余震が続き、マグネチュード8ぐらいの大きさで発生する可能性がある」と指摘する。
取材した森本さやかレポーター「揺れの大きさよりも、震源地はどこか、津波の発生はあるのかなど、気象庁が発表する情報を確認して対応することが必要です」
東日本大震災で現地取材した笠井信輔ニュースデスク「余震による警報のサイレンが鳴るたびに心臓がドキッとしました。きのうも住民の人たちは相当に怖かったと思います」