航空自衛隊入間基地の航空機騒音対策として、小中学校へのエアコン設置の是非を問う埼玉・所沢市の住民投票が15日(2015年2月)行われ、設置賛成が多数となったが、住民投票条例が「結果の重みを斟酌する」としている有権者の3分の1には達しなかった。
自衛隊基地の騒音!窓閉めきりで夏は暑くてたまらん
住民投票の結果は、賛成が5万6921票、反対3万0047票だったが、投票率が31.54%と低く、有権者数28万人の3分の1、9万3000 人には及ばなかった。この結果に賛成派は、「(多数に)ほっとした」としながらも、「3年前から署名活動をやって、これが市民の声なんだ」と無力感がただよう。
反対票は基地から遠い地区に多く、全37校のうち28校だけが対象というのにも抵抗があったようだ。住民投票に4000万円をかけたことにも「疑問だ」とする声もあり、低投票率にもつながったとみられる。
所沢市は基地に近い29校には防音措置をほどこしたが、夏は閉め切ると暑いため、06年にエアコン整備を決定、1校に設置したが、11年に当選した藤本正人市長は財政難などを理由に計画を白紙にした。このため、残る28校の保護者らが住民投票条例の制定をはたらきかけ、昨年12月の市議会で可決された。
エアコンの設置費用は78億円で、国の補助を除く市の負担は約30億円。藤本市長は、福島原発事故などを念頭に「快適な生活は多くの犠牲の上になりたっている」とし、30億円の支出は他の住民サービスに影響が大きいとした。
市長「費用30億円。財政難で出せない」
騒音のレベルについては「授業に支障」「支障はない」、夏の暑さも「窓を開ければばいい」「開けたら防音校舎の意味がない」「30度超えは10日だけ」などと、意見が対立していた。
住民投票条例には「結果が有権者総数の3分の1以上に達したときは、結果の重みを斟酌する」とあり、この日の結果は「斟酌」しなくてもいいともとれる。藤本市長は「これから結果の内容分析をする。これまでの住民投票と比べ、決して高くない投票率であったのは残念です」と話している。
キャスターの齋藤孝「住民投票のハードルが9万人と高かったうえに、法的な拘束力はないわけで、もったいない気もすします。4000万円もかけてるんでしょ」
井上貴博アナ「それだけの金をかけて無駄だったのではないか、これで市政への関心が高まったと両面の声があります」
齋藤「子どものことを考えれば設置してほしいですよ。でも、総額78億円もかかるという。そんなにかかるものかとも思いますが・・・」