学力の低下を招いたとして「ゆとり教育」が見直されて4年になるが、小学生の学習内容の理解度のテストで、同じ問題で「ゆとり」時代よりも正答率が高く出た。文部科学省がきのう12日(2015年2月)に発表した。
テストは2013年2~3月にかけて、小学4~6年生の一部を対象に国語や音楽など各教科で行われた。問題のうち45問は、04年2月に実施したものと同じだったが、ほぼ半数で正解が前回を上回り、下回ったのは9問だった。
11年実施の学習指導要領「学ぶ内容」「授業時間」大幅増
小学校の指導要領は02年の改訂で、学ぶ内容や授業時間数を大幅に減らした。これがいわゆる「ゆとり教育」だが、学力低下が問題となり、11年実施の現行指導要領で学習内容を増やした経緯がある。テスト結果はプラスが大きく出たが、逆に悪くなったものもあり、評価は分かれる。
現行の指導要領づくりに携わった奈良学園大の梶田叡一学長は「指導要領改訂では、学校と勉強は大事だというメッセージをこめた。それが浸透してきた結果だろう」という。一方、「ゆとり教育」を官房審議官として推進した京都造形芸術大の寺脇研教授は「先生が時間をかけてきた努力が成績に表れた。『脱ゆとり』で急に力がついたわけではない」と話している。
ゆとり世代はいま大学生・・・知識量で劣ってる?
キャスターの齋藤孝「(脱ゆとりは)国がゆとり教育は間違いだったと認定して始まったわけですが、学力はテストで測れるから、同じ問題で正答率が高いということは改革が成功したのかな」
司会の夏目三久「では、ゆとり世代は劣っているのかですが・・・」
齋藤「ゆとり世代はいま大学生ですが、『ゆとり世代』にコンプレックスを感じているようですね。実際はなんら遜色ないし、素質的には何の問題もない。ただ、知識の内容が3割削減されたというのは大変なことで、その意味ではある程度の量は必要なのかなと思いますね」
知識の獲得は死ぬまで続く長い長いレースだ。それより今の子どもたちが「知りたい」という好奇心が希薄なことが気になる。