関西学院大に「宇良あり」といわれた相撲の宇良和輝選手(22)が大相撲の木瀬部屋入門が決まった。身長172センチ、体重107キロと力士としては小柄だが、その名が知られたのはおととしの全国選抜大学・実業団和歌山大会でのアマ横綱・松永六十四選手との一戦だった。
体格では比べ物にならない相手の脇の下をくぐり抜けながら、自分の体を後ろに反らせて松永を放った。「伝え反り」というのだそうだが、体重135キロの体が見事に宙を飛んだ。この大会で名だたる強豪を奇手で次々と破り準優勝。アクロバット力士の名が一気に広まった。
身体能力とバランス抜群!体重107㌔で軽々バック転
宇良は「体の小ささから、相撲で勝つことを諦めることが多々ありました。プロに通用する体をコツコツと積上げていきたいと感じております」と語る。幼い頃に指導した寝屋川相撲連盟の屶網隆さんは、「年長の終わり頃にウチの相撲教室に来た」という。体が小さかったから4年生くらいから勝てなくなった。それで、レスリングと両方やったらどうかと勧めたという。そうして中学まで習っていたレスリングのワザがアクロバット力士の秘密だった。
身体能力とバランスが抜群で、107㌔の体で軽々とバック転をやる。昨年10月のワールドコンバットゲームズでも、しゃがみ込むようにして相手を持ち上げ、後ろに放る「居反り」を見せた。相手選手も何が起ってかわからないほどの奇手だった。日本人同士となった決勝でも「足取り」で決め、世界一(軽量級)になった。
舞の海は「相撲は技でとるんだと証明してもらいたい」
角界で尊敬するのはやはり小兵の「維新力関、舞の海関、入った当初の日馬富士関」だという。その舞の海は「最近はどの力士も体重を増やして大型化してきて、重さで相撲をとるようになってきているが、相撲は技でとるんだということを証明してもらいたい」とエールを送る。
フェイスブックには手製のちゃんこの写真やリンゴの皮むきや手作りケーキまでが載る。「自分にしかとれない相撲をやってきたので、それを持ち味にして大相撲でも戦っていきたい。強く、心優しい力士になりたい」という。
逸ノ城、遠藤のように学生でアマ横綱などだと幕下付け出しからスタートできるが、宇良は前相撲からのスタートとなる。序ノ口、序二段、三段目と上っていかないといけない。これまで前相撲からの最速昇進は土佐豊の6場所で三役入りというのがある。
司会の夏目三久「自分の強みがどこまで通用するかですね」
石井大裕アナが「居反り」をキャスターの齋藤孝相手にやってみせた。投げるまねまでだが、床に転がった齋藤は「こういう技をかけてもらえると幸せです」
夏目「期待したいですね」
舞の海の再現となるかどうか。楽しみがまたひとつ増えた。