広島・呉「遊び友だち集団暴行殺害」加害少女に愛着障害―自分の感情・行動をコントロールできない...

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   一昨年(2013年)、広島県呉市で10代、20代の少年少女7人が仲間の16歳の少女を暴行し、死亡させるという残虐な事件が起きた。少年少女たちを事件に向かわせた要因は何か。裁判で指摘されたのが「愛着障害」という精神疾患だった。「愛着」とは一般に物や他者への親しみという意味で使われるが、医学的には親と子の間で結ばれる深い信頼関係のことを言う。しかし、幼少期に虐待や育児放棄などで「愛着」を形成できないと、自分のことを大事に思うことができなかったり、ほかの人を思いやったりする想像力がはぐくまれなかったりすることで、自分の感情や行動をコントロールできなくなる「愛着障害」が起きるという。

   国谷裕子キャスター「昨年12月に出されたデータによると、少年院にいる男子の2割、少女の4割が虐待された経験があります。この虐待が幼少期の子供たちの脳の発達や心のブレーキにどのような影響を及ぼすのか。そうした子供たちをどうやったら救えるのか。脳科学の分野で研究が進められています」

幼児期の虐待・育児放棄で信頼関係欠如「自分がこんなになったのは母親のせいだ」

   呉の事件事件で一人の加害少女を担当した中田憲悟弁護士はこう話す。「逮捕当初、本当に粗暴な感じでしたし、母親は真面目に毎日のように面会に行くんですけど、娘である少女は拒否していました。『自分がこんなになったのは母親のせいだ』という対応を繰り返していたました」

   長年、少年院で少年少女たちと向き合ってきた桝屋次郎医師もこう言う。「非行少年の中に虐待を受けている子が多いというのは、いろんな調査で出てきています。間違いなく、虐待が非行とか犯罪にかかわるというのを見ていく視点は主流になりつつあります」

   愛着障害については、更生の現場でも戸惑うばかりだという。愛着障害の疑いのある子は医療少年院に送られ更生プログラムを受けることになるが、彼らは基本的な人間関係ができていないため担当者も苦慮している。

「職員にベタベタと甘えたり、逆に些細なことで牙をむいてきます。すごいエネルギーで爆発してくる子がいます。予測ができない中で教育していかなければならないという難しさがあります」(関東医療少年院の斎藤幸彦法務教官)
「原因が虐待なのか、発達障害なのか単純には割り切れないですね。いろんな要素が絡んで、本人が複雑な症状を作り出しているといえると思います」(関東医療少年院の遠藤季哉医師)
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