独身で恋に飢え、仕事も順調ではないアラフォー3人組、夏美(麻生久美子)、秋子(坂井真紀)、冬(緒川たまき)が奇怪な事件を解決していく恋愛ホラーコメディだ。第1、2話は死刑囚の体に別の人間の脳を入れた「21世紀のフランケンシュタイン」、第3、4話は姿は女医だが若い女の入院患者の若さを食べる「妖怪年食い」(毬谷友子)が登場した。
仲村トオルが演じる夏美の幼馴染の刑事・三階堂や、その後輩刑事・悲別(大倉孝二)もかなりおバカで、夏美が働く「喫茶面影」の店主・唄子(犬山イヌコ)、常連客の眠山(山西惇)も奇人変人である。
脇役にずらり揃えた芸達者
「妖怪年食い」の喫茶面影にみんなが集ったシーンで、悲別がトイレに行っている間のやりとりが個人的には一番ツボだった。
三階堂が年甲斐もなく付き合っている喫茶面影の若い店員・萌香(今野鮎莉)を、夏美が「よく付き合ってられるねえ。あいつ、高2の時うんこもらしたんだよ」としゃべり始める。
秋子「高2で!!?」
冬「うんこ!!?」
唄子「私も漏らしたなぁ~、よく」
秋子「よく!!?」
冬「うんこをですか!!?」
眠山「俺も最近よく漏らすよ」
秋子「最近!!?」
冬「うんこをですか!!?」
トイレから出てきた悲別「あ~、うんこしたら、なんか・・・」
夏美「(怒って)うんこ、うんこって、貸切じゃないんです」
こんなやりとりがあちこちに散りばめられている。
この話では、妖怪年食いがつとめる病院の院長(萩原聖人)に秋子が恋をしていたが、院長も妖怪だったということが分かって失恋してしまう。ここらあたりが、怪奇恋愛作戦なのだ。
ドラマの筋書きは、荒唐無稽に見えて意外によく練られており、あっという間に1話が終わってしまう。いや、実は出演者たちの顔ぶれがなかなかなのだ。荻野目慶子、小澤征悦、木野花、高橋ひとみ、中村メイコ、成海璃子、萩原聖人、ピエール瀧、松尾スズキ、マギー、見栄晴、ミッキー・カーチス・・・と、達者な連中が毎回登場する。テレビ各局にとって、深夜時間帯が新たなドラマ激戦地になっているのがよくわかる。(テレビ東京系金曜深夜0時12分)
鯖世 傘晴