「人を殺してみたかった」名古屋大女子学生・・・「週刊新潮」実名報道で問題提起「凶悪重大な事案」
国外だけではなく、国内でも暗い事件ばかりが続くのは、日本という国が下り坂を滑り落ちている証拠なのだろうか。19歳の女が77歳の女性を惨殺した事件は、ノーベル賞受賞者を輩出した名古屋大学の現役大学生という点でも驚かされた。
多くの雑誌で特集を組んでいるが、やはり事件の週刊新潮といわれているだけあって、記事に読み応えがある。週刊新潮は他誌が少年法を遵守して匿名なのにも異を唱え、名大理学部1年生の実名を出している。それは2000年2月に出された大阪高裁判決で、「社会の正当な関心事であり凶悪重大な事案であれば実名報道が認められる場合がある」との判断が下されているのに、他のメディアはなぜ出さないのかという問題提起だ。
私が現役の編集長だったらどうしただろう。「人を殺してみたかった」という犯行動機は許されるものではないと私も思うが、各誌を読む限り、この女は以前からそうとう病んでいたと思われる。今のところ別の殺人事件に関与しているとも思われないから、匿名にするだろう。よってここでも実名は伏せておく。
この女と被害者・森外茂子さんとの接点は、森さんが新興宗教「エホバの証人」(ものみの塔聖書冊子協会)の古参信者で、昨年10月に勧誘がきっかけで知り合ったという。二人は急速に仲良くなったようだが、12月7日、女子大生が自室に森さんを請じ入れ、斧で背後から殴りつけた後、森さんのマフラーで首を絞め、遺体を浴室に置いた。
森さんの捜索願が出され、仙台市の実家に帰っていた女子大生に愛知県警が連絡し、アパートに戻ってきた彼女に千種署署員が部屋を見せるようにいったところ、拒んだため、踏み込み浴室で森さんを発見した。
仙台市青葉区で暮らす両親の家は豊かで、彼女のピアノの腕前は、母親がコンクールにも出られと話すほどだという。だが、中学時代から斧やカッターナイフを所持し、友だちの飼っている猫に向かって「これで尻尾を切ったらどうなるんだろう」といったり、彼女の周辺で猫の変死が相次いで起きたことがあったという。
高校ではクラスの男子生徒が突然視力を失い、杖なしでは歩けなくなる状態になった。かろうじて失明は免れたが、今でも障害が残っているそうだが、その症状からタリウム中毒の疑いが濃厚で、今回の事件後の女のアパートからもタリウムと思われる薬品が押収されたといわれる。
酒薔薇聖斗やタリウムで母親を殺そうとした少女を好きだとツイートし、「日常を失わずに殺人を楽しめることが理想なんだと思う」「名大出身死刑囚ってまだいないんだよな」ともツイートしていたそうだ。
こうした「殺すのは誰でもよかった」殺人が増えるのはどうしてなのだろう。だいぶ前にいわれた「衝動殺人」とは違うようだ。こうした犯罪を事前に抑止する意味でも、彼女の取り調べや精神鑑定の結果などを公表し、社会全体で考えていくことは必要であろう。いたずらに少年法で守り、すべてを闇に葬ってしまっては、こうした事件の再発を防ぐことはできないはずだ。