安倍内閣より一枚も二枚も上手だった「イスラム国」交渉力!金塊運ぶ案も・・・
今週は『週刊ポスト』だけがメディアの責任と「人質解放交渉」の裏側をわずかだが報じている。週刊ポストは、野党も最初から安倍批判を封印し、「安倍首相の中東歴訪がテロリストを刺激し、今回の事件を招いたかのような、的外れの政権批判が野党の一部などから出ていることだ」(読売新聞1月23日付社説)、「事件は首相の歴訪が招いたものとの批判があるとすれば、誤りだ。卑劣なテロによって評価が左右されることはない」(産経新聞1月22付社説)のように、安倍政権の御用新聞が安倍の責任逃れに荷担していることを難じている。
週刊ポストによれば、一昨年の英国サミットで安倍首相が署名した首脳宣言には「テロリストへの身代金を拒否する」ことが盛り込まれていた。それによってイスラム国へ直接身代金を払うことはできないため、ヨルダンへの経済援助という形をとることが検討されたという。
しかし、イスラム国のほうが一枚も二枚も上手だった。ヨルダンを噛ませることで身代金も死刑囚の釈放も手に入れようとしたのだと国際政治アナリストの菅原出氏は見る。
また週刊現代によれば、湯川さんとの交渉で、身代金として払えばFRB(米連邦準備制度理事会)に嗅ぎつけられてしまうから、数億円の金塊を運ぶ案まで出されたという。だが、「湯川さんはすでに殺害されている」という情報が出たため実現しなかったという。真偽の程はわからないが、「カネですめば」という考え方が日本政府にあったのは間違いないのかもしれない。
そもそも、日頃から人的接触もルートもないままの裏交渉がうまくいくはずはない。日本という国は外交には未熟で、カネだけで解決しようとする国だというイメージが定着すれば、これから第2、第3の人質事件が出てくるのはいうまでもない。