日本人標的で欧州・中東より危ない東南アジアのリゾート地
週刊新潮はこれから誘拐の危険が高まる海外リゾートやテロのリスクがある国内施設について触れている。まず海外では欧州や中東よりも、「むしろインドネシアのバリ島など、東南アジアのリゾート地だと思います」と話すのは軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏。東南アジアには狂信的なイスラム原理主義者が多いからだという。
国内では渋谷のスクランブル交差点など人の多く集まるところは要注意だろうが、警視庁公安部外事三課の捜査員は、2002年に都内に住むパキスタン国籍の人間を入管法違反で逮捕したが、その交友関係からたいへんな資料が出てきたといっている。
その人間はアルカイダのナンバー3の指揮下にある米国オフィスと頻繁に連絡を取り合っていたそうだが、出てきたのは0系から800系に至る新幹線の写真だったという。<「やつらがテロ対象として新幹線に強い関心を抱いていたのは間違いありません」(同捜査員)>
新潟の柏崎狩羽原発や福井県の大飯原発など複数の原発施設の写真も出てきたそうだ。
想像したくもないが、日本はテロリストたちにとってやりやすい国であることは間違いない。そうした日本がテロリストの標的にならないように「国民の安全と安心」を守るのがトップの役割であるはずだが、安倍首相はそれをわかっているのだろうか。国会の答弁を聞いている限り、その覚悟は伝わってこない。「テロに屈しない」というだけで、今回の人質事件の詳細な経緯も「特定秘密」に当たる恐れがあるから詳らかにできないのでは、政府がどのような対応をし、どこが間違ったのかの検証すらできないではないか。
だいいち、湯川さんはもちろん、後藤さんまでもが人質になっている情報を掴んでおきながら、中東歴訪中に「イスラム国と断固戦う」と強調する演説を行い資金援助を表明したのはなぜなのか。これがイスラム国側の怒りを駆り立て、要求をエスタレートさせたのではないのか。
まずは安倍首相の責任を国会で明らかにし、野党がそれを十分にできないのであれば、ものいわぬ新聞、ものいえぬテレビに代わって週刊誌が得意の「徹底追及」すべきである。