「これは何だと思いますか。化粧品のボトルのように見えますが、どこの家庭にもある醤油です。ただし、ピンクの醤油です。新たな名産になるのでしょうか」
アナウンサーの小松靖が背広の内側のポケットから取り出した。鳥取県の飲食会社が開発したピンク色の醤油で、その名は「華貴婦人」。ピンク色だが、濃厚な本格醤油だ。街で女性に聞くと、「うまい」「食が進みます!」
野菜のビーツ使って赤い色
醤油がなぜピンクになったのか。開発した「ブリリアントアソシエイツ」の福嶋登美子社長に聞くと、「ビーツがわが社のピンクの素になっています」という。ビーツとはホウレンソウと同じアカザ科の野菜で、ロシア料理ボルシチに使われ、鉄分やカルシウムなど栄養価の高いものだそうだ。製法は企業秘密だ。
平井伸冶・鳥取知事も地元の名産品として広めようとしている。「鳥取県はいまウェルカニ。ピンク色で押し出そうと、醤油(しょうゆう)ことです」などと駄洒落を飛ばす。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト