テレビ朝日はきのう4日(2015年2月)、BS朝日の番組制作中にアイドルの少女(12)が倒れ救急搬送されたと発表した。番組の小道具に使ったヘリウムガスの吸引によるもので、少女は回復の兆しはあるものの、意識は十分にもどっていないという。
事故が起こったのは1月28日で、「3B juniorの星くず商事」の収録中に、声を変える市販の面白グッズ、ヘリウムガスを吸引した「3B junior」のメンバーの1人が意識を失って倒れた。「3B junior」はアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の妹分のグループだ。
業務上過失傷害の疑いで警視庁が捜査
病院の診断は脳の血管に空気が入って血流が妨げられる「脳空気塞栓症」。番組では、メンバーが5人1組でヘリウムガスを使ったゲームを収録していたが、少女はガスを一気に吸った。ガスには「大人用」などの注意書きがあったが、番組スタッフは見落としていたという。
医師によると、細い血管が詰まると軽いめまいやしゃべりずらい、手足のしびれなどが起るが、大きな血管が詰まると意識不明、手足が動かないなどの症状になり、「死に至ることもある」
ヘリウムガスはパーティーグッズとしても売られており、無害とされる。ただし、濃度が高いと窒息状態になるため、通常は酸素が20%程度混入されている。医師は「未成年者は自己免疫機能が弱い。そこで思いっきり吸い込んでしまったのではないか」という。
「大人用」という注意事項を見逃していたことで、武田徹・常務は「収録時の安全管理の問題があった可能性があり、深く反省しております」と語った。警視庁は業務上過失傷害の疑いもあると見て捜査している。
濃厚ガス吸った高校生死亡
山本匠晃アナが新聞報道をいくつか紹介した。日刊スポーツは07年には茨城県の高校で風船用の100%ヘリウムを吸った高校生が窒息死している。酸素を20%含むパーティー用では事故はほとんどないと伝えている。東京中日スポーツによると、2001~12年に意識を失ったり嘔吐したりする事故が、風船ガスも含めて32件ほどが厚生労働省に報告されていた。大半は子どもだった。東京都内の店で調べたパーティーグッズの表示には、「無害で安心」「安心して思いっきり胸一杯に吸い込む」とある一方で、「対象年齢10歳以上」「お子様の手の届かないところに保管」とあったという。
山本は「注意しながら使っていただきたい」と話すが、これも自己責任か。なんであれ、判断の元になる知識がないといけない。