トマ・ピケティそんなに凄いの?金持ちさらに富み、ビンボー人はビンボーのまま・・・昔からそうだよ
トマ・ピケティ氏(43)が来日している。講演会をやっているが、たいへんな人気だそうだ。「21世紀の資本」(みすず書房)は5940円という高額にもかかわらず13万部も売り上げ、世界では130万部を超すそうだ。ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏が「この10年で最も重要な経済学書」と絶賛し、甘いマスクがさらに人気を高めている。
私は読む気にさえならないが、『週刊新潮』によれば<各国で問題化している貧富の格差は、資本主義がもたらす必定で、このままでは格差拡大は止められない>というものだそうな。さほどすごい発見でもなさそうだが、大量のデータをもとに格差拡大を立証したことが評価されたらしい。
この問題の解決策は、富める者の資本に累進課税的な重い税を課して、貧しき者に分配することだというが、当然であろう。少し前までの日本は、「売(う)り家(いえ)と唐様(からよう)で書く三代目」とよくいったものだ。私の子どものころ、家の周りにも「お屋敷」といわれる広い敷地をもつ由緒正しい金持ちたちがいたが、今はそこを切り売りしたか、マンションや同じような戸建てが並んでいる。相続税が払えず土地を物納した人もいる。
今は家屋敷ではなく紙っぺらが価値を持つから、資産家はますます富み、こちとらビンボー人はいつまでたってもビンボー人のままだ。
このモテモテのピケティ氏だが、彼の本にあるデータに間違いが多くあり、捏造疑惑まで出ていると週刊新潮は書いている。だが、ピケティ氏はひるまず、改善の余地はあるが、広い意味での結論は変わらないとコメントしているそうだ。
霧島和孝城西大教授は、この本は学術界で「ディスカッションペーパー」といわれるもので、間違いを指摘してもらって改定しながら研究に磨きをかけていけばいいという。STAP細胞と違って、結論がしっかりしているのだからいいじゃないかというわけだ。結論が当たり前すぎると思うのは私だけなのだろうか。
白鵬が自分の取り組みに物言いがついた一番について、自分が勝っていたのは子どもでもわかると不満を漏らしたことで、メディアから「思い上がっている」という批判が出ている。
だが、朝青龍ほど横綱としての品格が落ちるわけではないし、彼が負けると館内から拍手が起こるという日本的風土のなかで、さまざまな「無念」を飲み込んで相撲に打ち込んでいる姿はなかなか感動的だと、私は思っている。
白鵬とて化け物ではないから、そう遠くない時期に格下の力士に転がされ引退しなければならない日が来る。横綱になった瞬間から哀れを感じるといったのは山口瞳さんだが、白鵬の背中にも哀れさが見えるようになってきたのではないか。それを一番わかっているのは白鵬自身だろう。