航空自衛隊パイロット「資格・技能試験」不正やりたい放題!模範解答を手渡し
「元航空自衛隊空士長が重大証言!『私は戦闘機パイロット試験の集団不正に手を染めた』」もスクープである。週刊ポストによれば、日本領空に接近した軍用機などに対して航空自衛隊戦闘機が緊急発進した回数は、昨年度だけで810回もあったという。高度な技術を要求されるパイロットだが、そのなかに「乗る資格があるのか疑わしいパイロット」がいると、昨年まで青森県の航空自衛隊三沢基地にいて空士長を勤めていた人間が告発している。
三沢基地は空自唯一の日米共同使用航空作戦基地で、戦闘機F-2が常駐している日本の北部防衛の要だ。パイロットには年に1度課される試験がある。1つは計器飛行証明試験。もう1つが特定の戦闘機の装備や操縦方法、整備方法、作戦の把握や管制塔との英語での交信といったパイロットとしての基礎能力を確認するための試験だ。
しかし、件の人間がいうには、試験会場がなく、問題用紙と解答用紙をパイロットに渡して空いている部屋で問題を解かせるそうだ。佐官クラスなどある程度の幹部には「参考資料」という名目で模範解答のコピーを渡していたという。これでは落第する隊員などほとんどいないのは当たり前であろう。
落第すると航空手当がなくなる。手当は本給の80%もあるそうだから、死活問題である。だからといって重大事故につながりかねない試験をおろそかにしていいはずがない。
彼は「国防を担う人間が、不正をしていいわけがない。私は罪の意識に押しつぶされそうになり、昨年、航空自衛隊を辞めることを決意した」という。だが、警務隊に告発文書を出すと、複数の幹部に囲まれ脅かされたという。そこで三沢基地を所管する北部航空方面隊に内部通報して辞職する。
週刊ポストの取材に航空幕僚監部は、告発文が来ていることは承知しているが「不正の事実はなかった」と返答している。これが事実であれば由々しき問題である。週刊ポストにはこの問題をこれからも追及し続けていってほしい。