「いま、最新の情報が入ってきました。ヨルダンの地元の報道です」
アナウンサーの井上貴博が慌ただしく伝える。「拘束されているパイロットの父親がアブドラ国王と話し、国王は父親に対し『あなたの息子は大切な存在であり、私たちの息子でもある。あすまでに返す』といったようです」
おととい27日(2015年1月)、後藤健二さんと女死刑囚の1対1の交換を24時間以内と指定した期限は過ぎた。きのう28日の夜にはヨルダン国営放送が、パイロットに対し危害を加えなければ女死刑囚を釈放する用意があると伝えるなど情報が錯綜した。
後藤健二さん解放交渉は「女死刑囚釈放」後
けさの井上の最新情報について、中東情勢に詳しい敬愛大学の水口章教授は「世界中に流れる情報ですから、国王の家族たちに対する発言は高い情報だと思います」と見る。ただ、ヨルダン情報には後藤さんの名前が出てこない。パイロットが釈放されるとしても、後藤さんとの交渉はどうなったのか。
水口「ヨルダンの国内事情としては、やはりパイロット対女死刑囚の交渉から始めるということを国内外に示すことになります。イスラム国にとっても、当初の要求の女死刑囚が出てくることで妥協しやすい環境になりました」
司会の夏目三久「その前に後藤さんの解放はどうなりますか」
水口「今はあくまでヨルダンが提示したパイロット対女死刑囚のスキームなので、この交渉が終わった後、後藤さんの解放に向かって日本とヨルダンが協調して進むことになるのでしょう」
イスラム儀式のあす金曜日がヤマ場
夏目「国王としてはなんとしてもパイロットを守りたいと強い意志があるのですね」
キャスターの齋藤孝「ヨルダンとしては、パイロットが戻ってくれば、女死刑囚を解放しても国民世論は納得なんですか」
水口「(世論は)大賛成です。ヨルダンの主権国家の中で動いていることですから、ヨルダンの判断に任せるしかないんですよね」
井上「やはり日本人として後藤さんの安否が気にかかりますが、今からの動きはボールがイスラム国にあるといえますか」
水口「はい。金曜日のイスラム儀式の前がヤマになるのではないでしょうか」