「イスラム国」がヨルダンに拘束中の27人の釈放を要求していることがわかった。27人リストには、人質となっている後藤健二さんとの交換条件とされるサジダ・アル・リシャウィ死刑囚や「イスラム国」前身組織の元最高指導者ザルカウイの側近だったジャル・カルブリ死刑囚もふくまれている。ヨルダン国内ではイスラム国にとらわれている空軍パイロットのムアーズ解放を最優先しろという声が高まっている。
アブドラ国王「交渉は空軍パイロット釈放が最優先」
ヨルダン人パイロットは昨年(2014年)12月、シリア北部ラッカ上空で空爆作戦中に墜落した。アメリカ軍特殊部隊による救出作戦が失敗し、他の人質や身代金を絡めた交換交渉の話が出ていたという。ヨルダンのアブドラ国王は25日、「彼の釈放が最優先の課題だ」と語った。
ヨルダン国民も「日本人だけでなく彼も釈放してほしい」「他国の人質ではなく、彼を最優先するべきだ」として、優先釈放を求める集会が開かれた。
井上貴博アナ「ヨルダンの気持ちになれば、他国のためにカードを切るのは許せないのではないですか」
敬愛大の水口章教授は「日本とヨルダン、イスラム国の三者がようやく交渉のテーブルについたということでしょうが、交渉の中身は見えてきません。静かに見守って解放を願うばかりです」と話す。
長期化必至でアンマン現地対策本部を強化
事態の長期化を意識した動きも出始めた。安倍首相はきのう26日、岸田外相に「(交渉が)今すぐにも動くかもしれない一方で、先行きは不透明かもしれないし、予想できない。関係者は緊張感を持って対応してほしい」と指示した。政府関係者はアンマンの現地対策本部にいる中山泰秀外務副大臣の交替を検討していることを明かした。別の政府関係者は「解決までは時間がかかる。すぐには終わらない」と話す。
キャスターの齋藤孝「複雑化しましたね。ヨルダンと『イスラム国』の交渉があって、しかも27人とは・・・」