湯川さん殺害、要求変更・・・イスラム国の狙い「交渉相手の日本・ヨルダン分断」

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   「イスラム国」に人質になっていた湯川遙菜さん(42)と見られる人物が地上に倒れている写真が公開され、イスラム国のラジオ部門「アル・バヤン」もきのう25日(2015年1月)、「イスラム国は警告通り日本人の人質を殺害した」と伝えた。

   注目されるのは、もう一人の人質の後藤健二さんが語っている新たな要求だ。「彼らの要求は簡単になった。彼らは公平だ。もうお金は求めていない。だからテロリストの資金になると心配する必要はない。彼らは投獄されているサジダ・アル・リシャウィの釈放を求めている。簡単だ。サジダを引き渡せば私も釈放される。それは可能だし、わが政府代表は皮肉にもサジダが投獄されているヨルダンにいる」

   最後にもう一度、「私の命を救うのは簡単だ。ヨルダン政府が彼女を引き渡せばいい。私との交換だ」と繰り返し、「残された時間は短く、間もなく死ぬかもしれない。これを最後の言葉にしないでくれ。安倍に、私まで殺させないでくれ」と語らせている。

   画像では、後藤さんはオレンジ色の服に手錠を掛けられており、疲れた表情だ。カメラマンの横田徹さんは「白1面のバックにはめ込んだ画像とみられる」という。

非現実的な条件出してゆさぶり

   サリダ死刑囚は2005年にアンマンで起きた60人以上が死亡した爆弾テロ事件の実行者の1人で、70年生まれのイラク人だ。夫は自爆したが彼女の爆弾は爆発せずに捕まった。先にシリアで撃墜されたヨルダン人パイロットとの交換交渉が水面下で行われていたらしい。

   この要求の変化につて、日本エネルギー経済研究所の田中浩一郎氏は「イスラム国の前身、イラク・アルカイダの指導者だったザルカウィ(06年に死亡)の近親者の姉か妹。身柄の奪還に価値を見いだしている」という。また、日本、ヨルダンと政府をまたいで揺さぶりをかける目的ともいう。ヨルダン人パイロットの命もかかってきて、選択がさらに難しくなるからだ。

   司会の加藤浩次「要求が変わりましたね」

   現代イスラム研究センターの宮田律氏は「1人を殺害することで本気度を示したのかもしれない。死刑囚の釈放は、日本に恩義を感じているヨルダンを見透かしてのことだろうが、法治国家だから簡単に死刑囚を釈放はできまい」

   横田氏「非現実的な金額の要求から現実的な要求に変わった。今回は期限も切っていない」

   アラブの交渉術のタフさは並大抵ではない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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