アベノミクスで内部留保急増企業!それでも給料は上がらない
週刊文春も人名を並べたワイドがズラッとあるが、気になるのは「つまようじ19歳」「ユニクロが香港のNGO団体「SACOM」から大幅な違法残業がある、ちょっと遅れると大幅に給与が引かれる違法な罰則があると公表されたのに、日本のメディアはほとんど報じないという記事」「最近、元サッカー選手の中田英寿との熱愛が話題になっている柴﨑コウは意外に『肉食女王』だという記事」ぐらいである。
週刊新潮に至っては、「少年Aの手記」と「NHK大越キャスターの交代」ぐらいで、読んでみたくなる記事がほとんどない。毎度だが『フライデー』も新聞広告を舐めるようにして見たが、買いたくなるような記事はなかった。
これでは愛想なしなので、週刊文春の「『アベノミクスで給料が上がる』のはこの会社」を取り上げておこう。週刊文春が東京証券取引所に上場している大企業225社(日経平均採用銘柄)を対象に、安倍政権が発足した2012年からの「2年間の内部留保の増加額」を調べてみたそうだ。その上で、上位50社を対象に、保有するキャッシュ(現預金+換金性の高い有価証券)の増減を調べ、内部留保が増え同時にキャッシュが増えていれば、賃上げ余力がより高いと考えたという。
結果は予想通りで、内部留保が増えた企業としては自動車業界が目立ったそうだ。またメガバンクも上位を占めた。やや異色なのは6位にソフトバンクが入ったことか。内部留保とキャッシュがともに1兆円以上増えた。しかし、有利子負債が10兆円もあるから、単純に利益が蓄積されたとはいえないと金融担当記者がいっているが、その通りであろう。
過去2年間の内部留保の増加が1兆円以上増えた企業を1位からあげてみよう。トヨタ自動車、三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG、三菱自動車工業、ソフトバンク。それ以降は本田技研工業、KDDI、日産自動車、東海旅客鉄道、日本たばこ産業、NTTドコモと続く。
だが、内部留保が増えたからといって、そこで働く人間たちの給与がすんなり増えているわけではない。安倍首相はアベノミクスで得られた利益を賃上げやコスト高騰に悩む取引先企業への単価に適切に反映してくれと大手企業の経営者たちにいうが、まだまだ道遠しのようである。
朝日新聞(1月23日付)の藻谷浩介日本総研首席研究員の言葉を付記しておきたい。<「日本では金融緩和が内需を拡大させない」ことをこの20年の現実から学び、中小企業に賃上げを可能ならしめる政策を工夫することこそ、本当の経済成長に向けた第一歩である>