後藤健二さん危険承知でなぜイスラム国本拠地入り?ガイドに騙されたのか

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   イスラム過激派組織「イスラム国」に拘束されている後藤健二さん(47)が、なぜ最も危険な本拠地・ラッカに行ったのかが不明だったが、彼をよく知るテレビ朝日外報部の内藤正彦部長や他のジャーナリストの話を総合すると、先の拘束されていた湯川遥菜さん(42)さんを助けるために向かったと見られている。

湯川遥菜さん救出できるかも・・・

   後藤さんは1996年に映像通信社を立ち上げた後、積極的に戦火に苦しむ病人や子どもたちの現状を伝えてきた。10年前から東京都内の中学校で「子どもたちに世界の現状を知ってもらいたい」と講演を続けてもいた。

   目指した取材の方向は、戦場ジャーナリストというよりも、戦火に苦しむ難民たちの窮状を伝えることだったようだ。内藤によると、「彼は派手な絵を撮り一発当てるタイプではない。地道に時間をかけてしっかり現地の惨状を伝えていく姿勢の人」で、細心の注意を払い、危険なところへは踏み込まなかったという。

   そんな慎重な後藤さんだったが、昨年(2014年)10月24日に現地ガイドのアラディンとシリアのマレアに入り、翌25日にアラディンにパスポートと携帯電話を預けて別のガイドとラッカに向かったという。アラディンはラッカに向かった理由について、「イスラム国の市民の生活を撮影することともう一つは知人の湯川さんの情報を知るためだった」と話している。

   しかし、内藤は「イスラム国に入っていくのは彼のイメージに合わない」と次のように話す。「現地にはガイドが複数介在することがよくあるんです。彼にはもう一人、『第三の男』がいたんです。後藤さんは非常に危険だということが分かっていながら、『私の責任で入る』と宣言しています。自発的に入っていったのではなくて、(第三の男の)ガイドに『オレの責任じゃないことを証明してくれ』と頼まれたところがあります。そうまでしてラッカに向かったのは、湯川さんを助けることに重点を置いたとしか合点が行かない。

   湯川さんは昨年4月、別の組織に拘束されたのを後藤さんは助けています。その時、後藤さんは口を酸っぱくして言ったが、その後またイスラム国のメンバーに捕まった。後藤さんは責任を感じていたのではないでしょうか」

「イスラム国行き北大生」事情聴取で状況一変

   フリージャーナリストでイスラム国を取材したことがある常岡浩介さんはこんな経験をしている。湯川さんがイスラム国に拘束された直後、イスラム国の幹部からこんな連絡があった。「湯川さんを身代金のネタにしない。見せしめの処刑にしない。裁判で無罪になったら帰すので裁判に立ち会ってほしい」

   常岡さんは「可能性としては助けられるのではないか」と見て渡航の準備をしていた昨年10月、北海道大生が私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取され、常岡さんも家宅捜索を受け渡航できなくなった。イスラム国の幹部からは連絡は途絶えたという。

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「子どもたちに世界の現状を知ってほしいと危険な現場に行って取材している彼を絶対に生きて帰らせたい」

文   モンブラン
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