東京の葛西臨海水族園でクロマグロなど回遊水槽の大型魚が大量死田問題で、錦織一臣副園長は「死んだ魚からウイルスの反応が出たということです。部位としましてはひ臓ということです」と発表した。しかし、専門家は病死ではなく、直接の死因は衝突による骨折ではないかと見る。隣の展示水槽の改修工事が始まった直後から大量死しているからだ。
ぶつかって頭がい骨や脊髄骨を骨折
司会の夏目三久が伝える。「去年(2014年)11月1日には、クロマグロ69匹、スマ52匹、ハガツオ38匹の159匹が飼育されていましたが、きのう20日(2015年1月)はクロマグロ3匹、ハガツオ4匹の7匹になってしまいました。死んだ魚の検体を調べたところウイルスが検出されました。ウイルスの特定を進めています」
感染した魚の映像があって、体をぴくぴくと震わせながら横倒しになって底に沈んでいった。どんなウイルス病なのか。クロマグロの人工ふ化を手掛けている近畿大水産研究所の澤田好史教授は「直接的には病気ではないだろう」と見る。
「ウイルスやバクテリアの感染によって神経や通常の状態を乱されて、それによって衝突して死んだ可能性がありますね。マグロはびっくりしたときに泳ぐスピードが飛びぬけて速いんです。衝突の衝撃もそれだけ強い。頭がい骨や脊椎骨を骨折して死に至ります」
隣の水槽の改修工事で振動や音
大量死したとなりの展示水槽では昨年12月10日から改修工事が行われ、その直後から大量死が始まっており、その影響はなかったか。水族園の杉野隆・飼育展示係長は「これまでにもいろいろ工事をやっているので、工事が原因とは考えにくいのですが・・・」と話す。
澤田教授は「マグロはストレスに弱く、音や振動や光というのが大きな要素になっていると思います」という。大型魚の回遊展示は水族園の目玉だったが、原因をはっきり究明するまで再開は見合わせだろう。
カズキ