今が最盛期!徳島特産「寒茶」限界集落のおばあちゃん13人で立ち上げ

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   大寒だというのに、茶摘が真っ盛りというのが徳島県海陽町久尾地区だ。人口わずか25人(男性12人、女性13人)、携帯電話も通じない限界集落だが、ここで摘まれる寒茶は普通の煎茶などより渋みが少なく特産品になっている。

   自生していた寒茶の栽培を始めたのは78歳の石本アケミさんだ。石本さんの寒茶畑(600坪)は山の斜面にある。寒茶は冬場に栄養分を蓄え美味しい茶に育つ。収穫した茶葉はまず蒸し揉む。普通はここで乾燥させるが、石本さんはさらに手揉みをして茶の旨味を引き出す。「掴んで捩じって」を30分間続けあと、「味をなじませまろやかな口当たりにさせるために一晩寝かす」のだという。さらにハウスで3日間乾燥させて完成する。

   茶摘みから袋詰めまで1週間と手のかかる作業だ。1日で収穫できる寒茶はわずか10袋分(1袋130グラムで税込600円)だ。月収は15万円ほどだという。

渋み少なく沸かしても冷めてもおいしい

   石本さんが立ち上げた寒茶生産組合のメンバーはおばあちゃん13人。最高齢の85歳のおばあちゃんは「私はまだ病院の先生の薬を飲んだことがない。寒茶のおかげです」と笑う。寒茶の良いところは、沸かして入れると美味しいし、冷めても冬場だったら10日は腐らない。味も臭いも変わらないところだという。

   石本さんはこの集落で生まれた。洋裁の勉強をしていた19歳の時に親が決めた林業を営む男性に嫁いだ。2人の子供を授かったが、「自ら進んで求めた生活ではなかった」と言う。そこへ過疎化の波が押し寄せた。「この場所で何か新しい仕事ができないか悩み続けた」すえに気づいたのが、自宅の裏山に自生する寒茶の販売だった。

   荒地を耕し、寒茶のタネをまくゼロからのスタートだった。53歳のときに商品化に成功し、無駄にならないようにと、加工した際に出る寒茶の粉をティーバックやペットボトル飲料の商品開発を進め、インターネットの販売も行っている。

   寒茶を試飲した館野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)「香りが濃厚だけど味はまろやか」

文   モンブラン
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