路線バスを利用してなじみの公園にひとりで通うイヌがアメリカで話題になっているそうだ。レトリバーの2歳(人間なら19歳)の雌で、名前はエクリプスという。シアトル市内を運行する路線バスがやってくると、乗り込んで空いた席に座る。2キロ離れたドッグパークでバスが止まると降り、遊び終えるとまたバスに乗って帰っていく。
バスに乗り合わせた乗客も「人間と同じようにここに座るの。もう人間だわあ」「彼女はみなを幸せにするの。この可愛い顏みて」と人気者だ。
バス会社「犬に高く評価されていることは喜ばしい。運賃はいただきません」
もともとは飼い主の男性と一緒に公園に通っていたらしいが、ある日、帰りの停留所で飼い主がタバコを吸っているうちにバスが走り出しひとりぼっちになってしまった。これで自分だけでも乗って行けると自信がついたのか、以来、ひとりで通うようになった。
バス運賃は大人の飼い主が一緒だと大人分の運賃を別途支払うことになっているが、犬に請求もできず大目に見ているという。バス会社のコメントが振るっている。「犬に高く評価されていることは喜ばしい」
作家の吉永みち子「いいわねえ。ああやってみんながイヌの座るのを認めて乗客の一人みたいに接する。寛容さというのかな、『誰だ、こんなことして』とは怒らない。バス会社のコメントもいいわね」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト