フランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」がきのう14日(2015年1月)、襲撃後初めての特別号が発売されると、あっという間に売り切れになった。通常の6万部を300万部に増刷していたが、さらに増やして最終的には500万部の発行が見込まれているという。その一方で、風刺に対する反発も高まっている。アナウンサーの山本匠晃が伝えた。
フランス人コメディアン逮捕「テロを擁護している」
最新号は6つの言語を翻訳し、表紙にはイスラム教の預言者ムハンマドが「私はシャルリー」のプラカードを持った風刺画を掲載、「表現の自由」を貫く姿勢を示した。
パリでは販売スタンドなどの前に朝早くから大勢の人が並んだが、イスラム教ではムハンマドを描くことは禁止されているので非難の声も出た。あるイスラム教徒は「他の人の考えを止めることはないけれど、とても神聖で象徴的なものだから、もてあそぶのはやめてほしい」と訴えていた。
そんななか、反テロの行進があった11日に、襲撃した容疑者の名前をもじって「私はシャルリー・クーリーバリーのような気持ちだ」と書き込んだフランス人のコメディアンが、「テロを擁護している」として逮捕された。表現の自由の基準があいまいだという指摘もされている。
「アラビア半島のアルカイダ」が犯行声明!「フランスは悪魔の一味」
イエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ」は襲撃について、「自分たちが標的を選び、計画を立案し、資金を提供した」というビデオ声明を発表した。実行犯の兄弟を「英雄だ」と称賛し、「フランスは悪魔の一味に属している」として、さらなるテロ攻撃を予告している。
キャスターの齋藤孝「発行している方は世界中から笑ってもらいたいと思ったのでしょうが、イスラムの方々にとっては笑うことではない。対立構造が深まらなければと思っています」
齋藤は「1分コラム」コーナーで、インド独立の父、ガンディーの非暴力のデモ「塩の行進」を例にして、「私はイスラムの方々にこそデモ行進をしていただきたい。平和的な形で訴えていただきたいと思います」と語った。