今冬はインフルエンザの感染が普段よりも3週間早く広がっているという。暮れの12月29日(2014年)から1月4日までの集計では患者数は139万人で、「A香港型」だ。このウイルスは変異しやすいため過去の免疫が働かず、感染力が極めて強く重症化しやすい。
けいゆう(警友)病院の菅谷憲夫医師が警告する。「香港A型は健康な人でもワクチンの効果は40%から50%です。100万人のうち50万人が予防接種のワクチンの効果がなく、発病の危険にさらされているわけです」
命取りになる「子どもの熱性けいれん」
東京都東村山市の多摩北部医療センターは週末に患者が殺到する。地域の診療所が休診になるためだ。小児科の小保内俊雅部長が今年のインフルエンザの特徴を説明する。
「患者さんは予防接種を受けているのにインフルエンザに罹った人が多いです。27人中10人(約4割)が予防接種を受けているのに発病しています。今年の香港A型は変異性で過去の免疫が効かないため大流行しているんです」
とくに注意したいのは小児の熱性けいれんの重症化で、長引くと脳炎で命取りになるという。特徴は「手足がこわばる」「目がうつろになる」などで、この症状が出たらすぐに病院に行く必要がある。
高齢者では肺炎を発病する例が多い。医師と相談して事前にタミフルなどを予防薬として飲むことも発症予防になる。
(磯G)