韓国・仁川で開かれたアジア大会の競泳会場でカメラを盗んだとして起訴された元日本代表の冨田尚弥選手(25)の初公判が、12日(2015年1月)に韓国・仁川地裁で開かれた。
準備してきた書面読み上げ「日本代表なのに愚かなことするはずない」
冨田は罪状認否で無罪を主張し、準備してきた書面を読み上げた。「被害者所有のカメラ1台をこっそり盗み取った事実はありません。私はカメラにはまったく興味や関心がありません。したがってカメラを盗む動機がありません。プロが使うカメラを扱う知識もなく、本体からレンズを取り外す仕方も分からない。日本の代表選手として愚かな行為をするはずがない」
裁判官から「他の人によって被害品が被告人のカバンに入ったと主張するのですか」という質問に、冨田の弁護人は「はい」と答え、第三者によって行われた犯行であることを主張した。
今週中にも「証拠映像」提出
検察側は「防犯カメラには、(冨田が)カメラ記者席のほうに歩いていって段上に腰を掛け、横にカバンを置くと、左側にあったカメラからレンズを取り外しカバンに入れてそのまま立ち去る映像が映っている」と主張している。冨田側はこの防犯カメラ映像を証拠品として提出を求めている。今週中には検察側から提出され、冨田側にも渡るので映像を確認できるという。
コメンテーターの館野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)「それにしても不可解ですよね。JOC(日本オリンピック委員会)側の人が立ち会って、証拠物件を見せられ認めざるを得ないと納得してしまっている。それを全部覆そうとしていますから本当に首を傾げますね」
次回2月2日の公判で防犯カメラの映像が再生されることになっている。