昨年9月(2014年)のアジア大会(韓国・仁川)でカメラを盗んだとして、韓国で罰金刑になった競泳・平泳ぎの元日本代表・冨田尚弥選手(25)の正式裁判の初公判が、きのう12日(2015年1月)に仁川地裁で開かれた。冨田は「盗んでいない」と無罪を主張した。
無罪主張「カメラには興味がない」「動機もない」
冨田は公判で「カメラには興味がない」「動機もない」「日本代表で出場していて、窃盗などという愚かなことをするはずがない」などと陳述した。検察側は冨田がカメラを盗む様子が写っている防犯カメラ映像を証拠として提出した。ただ、映像がぼやけていたので鮮明にする作業をしているという。2月2日の次回公判で再生されることになった。
きのう午後、仁川空港に着いた冨田はその足でアジア大会の水泳会場へ向かい、問題の日の行動を再現・確認した。冨田は見知らぬ男にポーチに入れられたと説明しており、そのポーチも持参していた。更衣室からプール際を通って記者席をたどり、記憶を確かめている風だった。
説得力ない弁明突かれたらピンチ
奇妙な事件だ。冨田は韓国警察の取り調べで盗んだことを認めたとして略式起訴処分となり、約10万円の罰金を納め釈放された。帰国の際も「お騒がせしてもうしわけありませんでした」と謝罪した。だれもが「盗んだんだ」と思ったし、同時に「なんでそんなバカなことを」といぶかった。
その後、会社から解雇され、日本水泳連盟からも来年3月までの選手登録停止処分を受けた。その1か月後に「盗んでいない」と仁川地裁に正式裁判を申し立てた。
キャスターのテリー伊藤は「日本人として無実であってほしいが、最終的には映像でしょうね」
司会の加藤浩次「警察に見せられた画像は小さくて、自分かどうかわからなかったといっていますよね」
冨田の主張通り、ポーチに入れた男がいるなら、その人物も写ってるはずだ。
ロバート・キャンベル(東京大教授)「自分がやったとなぜ言ったのかが重要ですよね。早く帰るためにそうしたのだとしたら、危ない」
いま冨田がいってることは、取り調べのときに言うべきことだ。しかも、なぜカメラが冨田の部屋からみつかったのかの説明がない。男の話にしても、判断力は小学生以下といわれても仕方あるまい。「危ない」とはこの幼稚さだ。