商品に相次ぎ異物が混入していた問題で、日本マクドナルドの青木岳彦と菱沼秀仁の上席執行役員が7日(2015年1月)に説明・謝罪会見を開いたが評判が悪い。
異物混入は新たに宮崎や京都、沖縄でも発覚した。宮崎・延岡では女性客が購入したベーコンレタスバーガーに5、6個の細かいガラス片が混入していた。「口の上が痛いと思って出したらガラス片が出てきたんです。口の中に切り傷ができ血が出ました。子どもが食べなくてよかったと思いましたよ」という。
女性客が店に苦情を申し入れると本社から報告書が届いたが、そこには「同形状のガラス材の使用はありません。製造工程で異物の混入の可能性は低いと判断します」と書かれていた。女性客は「私が嘘をついたみたいじゃないですか」と怒り心頭だ。
京都・宮津市ではホットケーキにアクセサリーの金具が混入していたほか、沖縄・北谷町でもチキンエッグマフィンからプラスチック片が見つかっている。これらを含め、これまで分かった7件の異物混入はすべて購入した客からの情報で判明し、会社側が積極的に公表したケースは1件もない。
フライポテトに歯の混入「食べた方の可能性ないとはいえない」
会見で異物混入は年間どのくらいあるかを問われた青木執行役員は、「責任をもった回答という形で数字を申し上げることは控えさせてください」と逃げた。情報開示の方法についても、「私どもの情報開示については正しい対応をしていると信じてります」と手前勝手な言い分に終始した。大阪・河内長野市の店舗で購入したマックフライポテトから人の歯が出てきた件について問われると、菱沼執行役員は「(歯は食べた方の可能性が)ないとは言えません」と、客が嘘をついているといわんばかりの発言だった。
この会見を聞いた河内長野市の女性客が怒った。「混入していた歯には治療の痕があるということですから、私自身の歯を調べてください。私は生まれて1度も歯の治療をしたことがない。もし私の歯が欠けたというなら、調べれば私のものでないと証明できます」と反論している。
食品衛生法に抵触している恐れ
スタジオでも批判が相次いだ。元ニュースキャスターの宮田佳代子は「会見を見ていて、調査中だから多くは語りたくないという印象の一方で、もしかしたら誰かが悪意を持って入れたのかもしれないという疑念を持っているという印象でしたね」
タレントの松尾貴史「会見した執行役員の2人は消費者の神経を逆なでしかねないような微妙なニュアンスでしたよ。謝罪会見という雰囲気はまったくなかったですね」
消費者問題研究所の垣田達哉代表は「非常にイメージの悪い会見。ひと言でいえば、消費者を敵に回しているような会見だった。客の方が嘘をついているのではというイメージを与え、しかも『公表の必要はない』とはっきり言っている。ちょっと信じられない会見でした」
垣田代表はこう指摘した。「食品衛生法では『危害を及ぼす恐れのあるものは販売してはならない』とあり、マクドナルドは法律違反になる可能性があることを認識してほしい」