「IKEA」4200万円提訴!組み立てイス欠陥で転倒「傷害残り包丁持てん」

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   大阪で飲食店を経営する43歳の男性がIKEAの組み立て式のスツールの破損で手に傷害が残ったとして、IKEAの日本法人に4200万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。IKEAは「不具合はない」として争う姿勢を示している。

   IKEAは26か国に303店舗を持つ世界でも最大手の家具量販店だ。スウェーデン発祥の組み立て家具はデザインの良さと価格が安いことで日本でも人気が高い。

注意書きに荷重制限100キロ

   問題のイスは木製で3990円。4本足の土台に円形の座卓をねじ込む方式で、座卓を回転させると高さを63センチから74センチまで調節できる。2009年から発売され、世界で約30万個売れたヒット商品だ。

   男性は12年12月に店舗開店でこのスツール24脚を購入した。「高さが調節できるのがよかった」という。数日後、これに腰掛けてパソコンを操作していたとき、バキッと音がして座卓が下がって男性は床に投げ出された。

   ねじ込み式の座卓を受けるプラスチック製の軸受け部分が破損したのだった。注意書きには荷重制限「100キロ」とあり、男性の体重は98キロだったが、足は床につけるか、ステップにかけていた。ただ、座卓はトップの74センチに近い状態にあったという。

   男性は床に右手をついたときに親指を脱臼、折れてはいなかったが肋骨を損傷した。5か月くらいで見た目は回復はしたものの、包丁を持つ感触は戻らず、長時間の調理ができないという。

   事故の後、IKEAに連絡して担当者が来たが、「公の機関が不備を認めるまでは医療費も支払えない」ということだった。

国民生活センター調査「強度が低かった可能性」

   店は半年後に閉店。男性は国民生活センターに相談し、独立行政法人「NITE」がイスを調査し、昨年11月に消費者庁が結果を公表した。それによると、ナイロン樹脂の軸受けの薄い部分が破損しており、断面に気泡が認められ、強度が低かった可能性があるとされた。

   13年にも同じような事故があり、IKEAは軸受けの材料を変えて強度をあげたというが、現在は販売されていない。こうしたことから、男性は訴訟に踏み切ったという。先月の第1回の口頭弁論でIKEAは争うとした。

   菊地幸夫弁護士は「使い方が通常だったか異常だったかが争点になります」という。

   キャスターのテリー伊藤「100キロとあっても、エレベーターもそうだが、多少超えても大丈夫なものですよ。それが壊れたとなると、男性のいい分も理解できますよ」

   司会の加藤浩次「1脚だけおかしかったということって考えられますか」

   坂口孝則(経営コンサルタント)「樹脂の成形はむずかしいんです。IKEAはその後改良しているが、両者とも言い分があり、話は微妙だと思いますね」

   加藤「で、いまは製造していないの。うーん」

   案外ややこしいことになるかもしれない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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