1年で最も高値でマグロが取り引きされる東京・築地の初競りは、5日(2015年)午前5時半から始まった。今年の最高値は大間のマグロで1本451万円をつけた。最高値を求めて酷寒の大間の海に挑んだマグロはえ縄漁船に、「モーニングバード!」が密着した。
モニバド密着の漁船―掛かったのはオットセイ!
船長の泉学(38)と健志(28)、竜太(22)の3兄弟の第二十八宝幸丸が大間港を出港したのは3日午後5時だった。まず、マグロのエサとなるイカ漁を行い、準備に取り掛かろうとした矢先に、無線で漁場の津軽半島最北端の竜飛岬沖は「北北西の風18メートル」の知らせが入る。普段なら漁を断念する荒天だ。
しかし、諦めるわけにはいかなかった。昨年は1月4日に318キロの超巨大マグロをゲットしたものの、築地で最高値をつけたのは別のマグロで、3兄弟にはその悔しさが残っている。荒れた竜飛岬を避けて、大間沖にポイントを移し、釣り糸にイカを括り付け海へ投げ込む。マグロが食付くのをひたすら待つ。酷寒のなか、出港してから18時間半が経っていた。何かがかかった! しかしいつもと様子が違う。引き上げるとオットセイだった。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト